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不動産売却コラム
売却前リフォームの落とし穴と対策:費用を抑えつつ物件の魅力をアップさせる方法

売却前リフォームの落とし穴と対策:費用を抑えつつ物件の魅力をアップさせる方法

中古不動産を売却するときによくある悩み・不安

 

「一戸建てを購入して10年以上住んできたけど、そろそろ売却してマンションに住み替えたい」「相続で受け継いだ築年数の古い家を売りたい」など、実際に不動産の売却を検討している方の背景はさまざまです。いずれにしても、高い価格でスムーズに売りたいという共通の目標がある一方で、こんな悩みや不安を抱えてはいないでしょうか?

 

「リフォームをすれば高く売れる気がするが、どの範囲でどこまで手を加えればいいの?」
「家の中が汚れているのは分かっているけれど、リフォームしすぎて逆に買主を遠ざけないか?」
「トイレやキッチンなど水回りを最新式にしたら、高くなる分だけ売却価格が上がるのか?」

 

このような疑問に対して、結論を先に述べるとすれば「やりすぎないことが重要」です。中古不動産は、買主側も多少のリフォームやリノベーションを前提として探しているケースが多いため、全面改装するほどの費用は本来不要な場合がほとんど。特に『最初からここだけは綺麗にしておいてほしい』と買主が強く思う部分を見極め、最低限の費用でリフォームするのが賢い戦略だといえます。

 

本記事の構成

 

リフォームの必要性や、買主がどんな状態を望んでいるのかを理解する
最低限リフォームすべき箇所を押さえ、余計な費用をかけずに売却準備を進める
悪徳業者を避ける方法や、複数社からの見積もり取得など、実践的なノウハウを学ぶ
売却までの具体的ステップを知ることで、スムーズに次のアクションへと移れるようになる

 

このような流れで進めていきます。記事後半では、「複数の不動産会社に査定を依頼する重要性」「リフォーム費用と売却価格のバランスを取る具体的な方法」「仮住まい期間のスケジュール管理」といった、売却実務に直結する話も取り上げますので、ぜひ最後までお付き合いください。

 

不動産売却前にリフォームは本当に必要?その理由と注意点

 

「よく分からないから、とりあえず全部綺麗にしておこう!」というリフォーム方針は、一見すると間違いではなさそうですが、実は非効率的なことが多いです。なぜなら、リフォーム費用がかさんでも、その分を売却価格に上乗せできるとは限らないからです。ここでは、高く売るためのリフォームがどうして必要なのか、そもそも必要なのかを整理していきましょう。

 

売主の「高く売りたい」気持ちと買主が望む状態のギャップ

 

売り主の心理

・「できるだけ高い値段で売りたい」
・「内覧者に好印象を持ってもらい、短期間で売却したい」

 

買主の心理

・「築年数を考慮すると、ある程度は自分たちの好みでリフォームして住みたい」
・「ただし、最低限の部分は最初から綺麗だとありがたい」

 

ここがポイントで、買主が「リフォーム済みでそのまま住める」と強く期待する物件は、築年数が比較的浅く(10年以内程度)、状態が良いと見込まれるものが多いということです。一方、築15年以上の物件を検討している方は、自分たちでキッチンやバスルームを交換する前提で探しているケースもあるため、「すべて新しくなっているより、一部は手を加えられる余地があって安い方が嬉しい」という声も少なくありません。

 

ではどこに着目すればよいのか。それは「内覧者が『これだけは綺麗であってほしい』と思う部分」です。たとえば、壁紙の汚れや黄ばみは内覧者が最初に気づく部分ですし、床の傷は築年数以上に古びた印象を与えるため、放置していると価格交渉で不利になりがち。そういった “最低限のポイント” を押さえたリフォームこそ、「高く売りたい」「でも買主の自由度も残したい」という売り主の思惑にマッチします。

 

リフォームするメリット・デメリットを知ろう

 

メリット

1. 見た目・清潔感アップで内覧者の購入意欲を刺激
- 第一印象が良ければ、交渉もスムーズになりやすい。


2. 売却価格アップが期待できる場合も
- 築10年程度の比較的新しい物件では、ある程度のリフォームが査定額を押し上げることがある。

3. 
写真映えが良い
- ネットの物件サイトに掲載する写真に清潔感が出るため、問い合わせ数が増えることも。

 

デメリット

1. リフォーム費用の負担
- 全面リフォームともなると数百万円単位になりかねず、回収が難しくなる恐れも。

2. 
工事期間の仮住まいなど、時間・手間がかかる
- 工期が長期化すればするほど、本来の売却タイミングを逃すリスクも出てくる。

3. 
買主によって好みが違う
- お金をかけて新調したキッチンや壁紙が、買主のテイストと合わない場合、むしろ「自分で選びたかった」と不満になる可能性も。

横浜不動産売却|売却前のリフォーム

 

結論を簡潔にまとめると、「必要最低限のリフォームをして、見た目を整える」ことがベストです。どこが最低限なのかは次章で詳しく見ていきましょう。

 

中古不動産売却前に最低限リフォームすべき5つのポイント

 

「さっそく具体的に知りたい」という方のために、ここでは費用対効果が高く、内覧者に強い印象を与えやすいリフォーム箇所を5つピックアップして解説します。ここを抑えておくだけで、不必要に多額のリフォーム費用をかけることを防ぎつつ、買主に安心感を与えることができます。

 

壁紙(クロス)の張り替え:汚れやヤニをリセット

 

中古物件の内覧で最初にチェックされがちなポイントが「壁紙の汚れ」です。タバコのヤニやホコリ、子どもの落書きなど、日頃からこまめに掃除をしていても経年劣化は避けられません。

 

真っ白い壁紙は部屋を広く見せる効果がある
・トイレや洗面所など水回りが特に汚れているとイメージダウンに直結
・全面張り替えが難しければ “見栄えが気になるところのみ部分的に交換” という方法も可

 

最近では防臭・抗菌効果のあるクロスが比較的安価で手に入るようになっています。優先度の高い箇所に絞ってこうした機能性クロスを取り入れると、コストパフォーマンスが高いです。

 

傷ついた床の修繕:部屋全体を若返らせる

 

「フローリングの表面に無数の傷がある」「畳の色褪せがひどい」など、床の劣化状態は意外と目立ちます。窓から入る光が床に当たると、細かい傷がはっきり見えてしまうものです。

 

・床は部屋の大部分を占めるため、綺麗にすると一気に印象が良くなる
・畳なら表替えだけでも見違えるほど綺麗になる
・「隠して売る」のはトラブルのもと(瑕疵担保責任の問題が発生する可能性)

 

部分的にフローリングを張り替えたり、畳を一新するだけでも購入意欲に大きく影響を与えます。「古臭い印象」を「すぐ住めそう」に変える、コスパの高いリフォームです。

 

トイレの交換:築10年以上の物件には特に有効

 

少し費用がかかるリフォームですが、水回りの中でもトイレは特に注目されやすい場所。

 

和式トイレ のままだと、買主によっては「すぐ使えない」「改装費がかかる」とマイナスになる
築10年以上 のトイレだと節水性・掃除のしやすさで最新式に劣る
・最新式トイレの「汚れにくい」「節水」「デザイン性」などは内覧で好印象を与えやすい

 

「高級路線のトイレを入れなければならない」というわけではなく、あくまで掃除のしやすさ節水性を強みにしているベーシックなグレードを選ぶだけでも充分です。長年使ったトイレを一新することで、水垢や黄ばみのない清潔感が生まれます。

 

照明スイッチカバーの交換:低コストで清潔感UP

 

驚くほど低コストで印象を変えられるのが、照明のスイッチカバーを新調すること。長年使われたカバーは黄ばみや指の跡がついていて、内覧者に「なんとなく古い家だな」というイメージを植え付けがち。

 

・DIYで簡単に交換できる
・1つ数十円〜数百円程度で入手可能
・木目調やアンティーク調など、デザインで遊ぶこともできる

 

クロスや床よりも遥かに安上がりなので、玄関やリビング、各居室のスイッチカバーを丸ごと交換しても数千円で済むケースが多いです。

 

破れた障子・網戸の修繕:小さな補修で大きな印象改善

 

和室がある物件なら障子の破れ、リビングや寝室には網戸の穴、こういった細部に「手入れをされていない感」が滲み出ていると、他の部分まで悪いイメージを持たれかねません。

 

・DIY初心者でも専用のキットを購入すれば割と簡単に貼り替え可能
・網戸の破れは放置すると虫の侵入をイメージさせるため、購入検討者にはマイナスポイント
・「自分で直せるんじゃ…」と思っていても忙しくて手が回らない方も多いので、最初から直してあげると好印象

 

費用としてはそこまで大きくならないので、修繕しておくほうが確実に印象アップに貢献します。

 

5つのポイントを挙げましたが、「全部やるのは予算的に難しいかも」「どこから手を付けるべきだろう?」と思う方もいらっしゃるでしょう。次の章では、リフォーム費用の目安と、それをなるべく抑えるためのコツを解説します。自分の物件に必要なリフォームはどれか? 手元資金と相談しながら読み進めてみてください。


横浜不動産売却|中古不動産の魅力を高める重要なリフォーム

リフォーム費用の目安&コストを抑える5つのコツ

 

「最低限リフォームしたい箇所は分かったけど、予算の上限はいくらくらいに設定すればいいの?」という疑問を解消するため、この章では一般的な費用相場を示しつつ、予算を抑えるコツを紹介します。ポイントは “なるべく100万円以内” を目安にする ことです。

 

なお、築30年以上の物件でリフォームを検討している方は、 「築30年超の家の売却前リフォーム:成功のカギは何か?」 の記事もぜひご覧ください。費用をかけるべきかどうか、様々な事例を踏まえて判断できるはずです。

 

大まかなリフォーム費用相場:どれくらいかかる?

 

箇所 修繕・交換内容 費用相場 効果
壁紙(クロス) 張り替え 1,000円/㎡ほど 部屋を広く明るく見せる。清潔感を演出できる。防臭・抗菌効果のあるクロスで付加価値を高める。
フローリングの張り替え、畳の表替え フローリング:3,000円~1万円/㎡ほど 、畳:1~2万円/枚 部屋全体の印象を大きく変え、清潔感を演出できる。
トイレ 交換 10~50万円 和式トイレを洋式トイレに交換することで、購入者の幅が広がる。最新式トイレは節水性能や清掃性に優れており、アピールポイントになる。
照明スイッチカバー 交換 100円〜数百円程度 古くなった印象を払拭し、清潔感を演出できる。
障子・網戸 張り替え 障子:2,980円~9,980円/枚 、網戸:2,000円~6,000円/枚 破れや汚れを修繕することで、家のメンテナンス状態が良い印象を与える。

 

上記はあくまで目安ですが、たとえば壁紙を一部屋丸ごと張り替えるだけなら数万円で済む場合もありますし、トイレの交換もシンプルなものなら10万円以内で新しくできるケースが多いです。一度に複数箇所をまとめて工事する場合、業者によっては割引が適用されることもあります。

 

仮住まい費用にも注意

 

リフォーム期間中は、住みながら工事を行えない場合、ビジネスホテルやウィークリーマンション、実家への一時的な同居など仮住まいが必要になります。1泊5,000~10,000円のホテル費用が発生するケースもあるため、リフォーム期間と照らし合わせて「トータルでいくらかかるか」を把握しましょう。

 

費用を抑えるためのコツ:DIYや相見積もりを活用


1. 優先度の高い部屋・箇所だけ施工する
- 特にトイレ・壁紙・床など、内覧時に目立つ部分を最優先

2. 
必要以上に高級グレードを選ばない
- 築年数が20年以上なら、超高級仕様よりも無難な普及モデルが好まれやすい

3. 
複数のリフォーム業者から相見積もりを取る
- 見積額に大きな幅が出ることが多く、複数社比較は必須

4. 
DIYで済むところは自分でやる
- 障子・網戸・スイッチカバーの交換などはDIY初心者でもチャレンジ可能

5. 
リフォーム時期を計画的に考える
- 住宅の繁忙期(3~4月など)を外すと工期が取りやすく、値引き交渉できる場合も

 

こうした工夫を重ねることで、総額を大幅に抑えられます。必要最低限の箇所を効率よくリフォームするという考え方を常に念頭に置きましょう。

 

ここまでで大まかな費用相場とコスト削減のコツが見えてきたかと思います。しかし、安さだけを追求してリフォーム業者を選んでしまうと、「ずさんな工事」「追加請求が多発」などのトラブルに巻き込まれるリスクもあるのが現実。

 

次の章では、悪徳業者を回避するために何を知っておくべきかを掘り下げながら、良心的な業者・不動産会社をどうやって見つければいいのかを解説します。

 

悪徳リフォーム業者を避けるために知っておきたいこと

 

リフォームに失敗しないためには、費用や工事内容だけでなく、業者の信頼性も入念にチェックすることが不可欠です。訪問販売で強引に契約を迫られる、見積もりより大幅に高い請求が発生するなど、いわゆる “悪徳リフォーム業者” によるトラブルが後を絶たないのが現状です。国民生活センターの調査によると、リフォームに関する相談件数は年々増加傾向にあり、2021年度は7,435件、2022年度は8,165件、2023年度には12,510件まで跳ね上がりました。2024年度も前年同期比で増加しており、市場拡大や手口の巧妙化が一因と考えられます。

 

悪質リフォーム業者の典型的手口と具体例


1. 訪問販売で「無料点検」を口実に不安を煽る
- 屋根や外壁を勝手に点検し、「このままでは危険」「今すぐ工事が必要」と脅し契約を迫る

2. 
見積もり時点では安価を提示し、契約後に追加費用を次々と上乗せ
- 結局、高額な請求になり、契約解除もしづらい状況に持ち込まれる

3. 
雑な施工でクレームを放置する
- クロスの上に新クロスを重ね貼りするだけ、下地補修をしない、配管の不備を放置するなど

4. 
契約後に連絡が取れなくなる
- 手付金や中間金だけを持ち逃げされるケース

 

このように悪質な業者は、「時間がないから今すぐ決めましょう」「他社よりも大幅に安い」など、魅力的な言葉で売主を急かすのが特徴です。少しでも違和感があったら契約せず、一度持ち帰って検討しましょう。

横浜不動産売却|悪質なリフォーム業者の戦術

 

信頼できるリフォーム業者・不動産会社を選ぶポイント


1. 保証やアフターサービスの有無を確認
- 瑕疵(かし)保険や工事保証が充実していれば、施工後のトラブルにも対応してもらいやすい

2. 
建設業許可の有無をチェック
- 500万円以上の工事を請け負うには「建設業許可」が必要です。規模の大きいリフォームを依頼するなら、許可の有無を確認するのが安心

3. 
複数社から見積もりを取る
- 見積書の内訳を細かく比較することで、「諸経費」の中身などを把握しやすい

4. 
口コミ・評判・施工事例を確認
- 公式サイトだけではなく、SNSや口コミサイト、知人の紹介など多角的に検討する

5. 
不動産会社でリフォームを相談できる場合も
- 売却を依頼する不動産会社が提携しているリフォーム業者を紹介してくれるケースがあり、高値売却や早期売却のノウハウに合致した工事を提案してもらいやすい

 

特に「不動産会社経由でのリフォーム相談」は、売却戦略とセットで考えられるためおすすめです。物件のどこをどれくらい直せば査定額が上がりそうか、地域相場や過去の売却事例に基づいて客観的にアドバイスしてくれます。

 

悪徳業者の手口や、信頼できる業者選びの視点を押さえると、リフォームにおける不安はだいぶ減るのではないでしょうか。

 

次の章では、実際にリフォームを進めるための具体的なステップを整理します。査定のタイミングや仮住まいの手配など、売却完了までの流れをイメージしながらチェックしてみてください。

 

失敗しない売却&リフォームのための5ステップ

 

ここからは、不動産売却とリフォームを絡めた「実際の進め方」を5つのステップに分けて紹介します。どのタイミングで査定を受け、どんな形でリフォーム業者と契約するべきか、実際の流れを把握しておけば、売却計画が大きくブレにくくなります。

 

ステップ1-不動産会社に査定を依頼して相場を把握


1. 複数の不動産会社に査定を依頼
- 一括査定サイトなどを利用すると、数社から同時に連絡をもらえて比較しやすい

2. 
現地調査してもらう
- 実際に物件を見てもらい、「ここは直しておいたほうが良い」「このままでも大丈夫」など、専門家の視点で意見をもらう

3. 
査定結果の理由をヒアリング
- 「築年数」「駅からの距離」「周辺相場」などを考慮し、売却価格がなぜその金額になるのかを確認

 

この段階で、すぐにリフォームの具体案を固める必要はありません。ただし、どの程度のリフォームをすればどれくらい売却価格が上がりそうか、大まかな見通しを立てられれば後のステップがスムーズです。

 

>ステップ2-リフォーム計画を立てる


1. 必要最低限の箇所をリストアップ
- 壁紙、床、トイレなど、先ほどの5つのポイントを参考に自分の物件をチェック

2. 
予算とリフォーム後の売却価格の比較
- 「トイレ交換に15万円かけても、その分査定価格が上がる見込みはあるか?」などコスパを考慮


3. 複数のリフォーム業者から見積もりをとる
- 相見積もりで工事内容と金額を比較し、怪しい業者を排除する

 

「リフォームに数十万円かけても、その分を売却価格に上乗せできればプラマイゼロ」という考え方もあれば、「むしろ少し上乗せでプラスになる可能性がある」ということもあります。大切なのは、実勢価格や不動産会社の意見を踏まえ、損得を冷静に見極めることです。

 

ステップ3-リフォームの実施と仮住まい


1. 工事日程を詰める
- どのくらいの期間で終わるのか、追加工事が必要になるケースはあるかを業者と打ち合わせ

2. 
仮住まいの手配(必要な場合)
- ホテルやウィークリーマンション、実家に滞在など、最適な方法を選ぶ

3. 
工事の進捗を確認
- 施工がずさんにならないよう、業者から経過報告を定期的に受ける

 

短期で済むリフォームなら住みながら進められる場合もありますが、トイレや床の張り替えなどで家全体に手を入れるときは、仮住まいを確保しておいたほうが安心です。

 

ステップ4-完了後の再査定&売却活動スタート


1. リフォームが終わったら不動産会社に再度チェックしてもらう
- 「写真を撮り直す」「物件サイトで “リフォーム済み” をアピールする」など、売り方を工夫

2. 
内覧対応の準備
- 家具や荷物がある場合は整理・クリーニングを行い、内覧者がスムーズに回れるよう導線を確保

3. 
売却価格の設定&募集開始
- 不動産会社と相談し、希望価格と相場のバランスを取りながら設定

 

ここでのポイントは、リフォーム箇所を十分にアピールできる情報を整えること。綺麗にした壁紙や新品のトイレは、写真でも一目瞭然なので、ネット掲載の写真や内覧時の説明に活かしましょう。

 

>ステップ5-内覧から契約・引き渡しまで


1. 内覧での印象アップ
- リフォームして良かった箇所を見てもらい、「すぐ住める」アピールをしっかり行う

2. 
価格交渉への対応
- 買主が値下げ交渉をしてきたとき、「この部分は新しくリフォームしてあるので…」と説明材料になる

3. 
契約〜決済・引き渡し
- 売買契約を締結し、引き渡しまでのプロセスを不動産会社と連携して進める

 

リフォームによって内覧の好印象が得られやすくなると、商談がまとまりやすくなる可能性が高いです。特に築年数が古い物件でも、壁紙や床が綺麗になっていれば、部屋に入った瞬間の「住めそう感」がまるで違います。

 

以上が、不動産売却とリフォームを絡めた全体的な流れです。次の章では、不動産売却前のリフォームについてよく寄せられる質問についてQ&Aでお答えしていきます。
 

横浜不動産売却|不動産売却とリフォームプロセス

よくある質問(Q&A)-不動産売却前のリフォーム編

 

不動産を売却するにあたって、「本当にリフォームは必要?」「どこまで手を加えればいい?」「費用が回収できるのか不安…」など、疑問は尽きないものです。ここでは、読者の方から寄せられがちな質問と、その回答をまとめました。ぜひ参考にしてください。

 

Q1. リフォームなしでも売却可能?

 

A. はい、リフォームなしでも売却自体は可能です。ただし、購入希望者の目線で内覧したときに「汚れや傷が目立つ」「古い設備のまま」といったマイナス印象が強いと、交渉で値下げを要求されやすくなります。その結果、想定よりも低い価格で売却せざるを得ない場合もあるのです。

 

ポイントは、“どこをリフォームしなくてもよいか” と “どこは最低限直しておいたほうがよいか” を見極めることです。記事の中で紹介した壁紙の汚れや傷ついた床など、比較的安価に直せる箇所だけでも補修しておくと、売却価格や売却スピードに好影響をもたらします。

 

Q2. フルリフォームは本当に高く売れる?

 

A. フルリフォームを行うと、当然外観や設備の印象は大幅に向上しますが、費用回収できるとは限りません。というのも、買主の中には「自分好みにリノベーションしたい」と考えている人も多く、既にリフォームしきってあると、逆に敬遠されるケースもあるからです。

 

費用対効果を考えるなら、“最低限ここだけは” という箇所を重点的にリフォームするのがおすすめです。とくに壁や床、水回りなど「第一印象」に大きく影響する部分を中心に予算を配分し、買主の “やっぱりここは綺麗であってほしい” という期待に応えるのがベストと言えます。

 

また、失敗事例④:フルリフォームで赤字?費用対効果を見誤ったDさんのケースのように、300万円を投資しても思ったほど売却額が伸びないケースもあるため、リフォームの“やりすぎ”には注意が必要です。

 

Q3. 住宅ローンでリフォーム費用を賄える?

 

A. 一般的には、住宅ローンは「購入資金」を借りるためのものなので、「売却のためのリフォーム費用」は対象外です。ただし、金融機関によっては、「リフォームローン」や「リノベーションローン」という商品を扱っている場合もあり、使い道が明確であればローンで工事費をまかなうことも可能です。

 

ただし、ローンは「返済期間中に利子がつく」点や「審査がある」点を踏まえると、すぐ売却する物件のリフォーム費用をローンで賄うのはリスクも伴います。売却後の差額で返済できる見込みがあるかどうか、慎重に検討しましょう。

 

Q4. リフォーム費用は売却価格に上乗せできる?

 

A. リフォーム費用をそのまま売却価格に足せるわけではありません。もちろん、物件の印象が良くなり、高値で売れやすくなる可能性はありますが、「リフォーム費用=売却価格のアップ幅」とは限らないのです。とくに、築年数が20~30年以上の物件の場合、フルリフォームに数百万円かけても、買主としては「築年数が古い」点で価格交渉を行うケースも考えられます。

 

一方、リフォームによって “汚れ・古さを感じさせるポイント” が解消されれば、少なくとも値下げ要因を減らせる効果は大きいです。査定や売却事例を見ながら、「ここに30万円かけたら、少なくとも値下げを回避できる」というようにシミュレーションして検討するのが現実的でしょう。

 

Q5. 古い家でも最低限リフォームで早期売却は可能?

 

A. 物件の状態や立地によって異なりますが、「買主が見てすぐにわかるマイナス要因」さえ取り除ければ、早期売却の可能性は高まります。特に築年数が古い場合、「どれだけリフォームしてもいずれは自分でやり直したい」と買主が思っているケースがあります。そのため、“全体的にピカピカにする” よりも、最低限の見た目や清潔感を確保して早く売り出すほうが、結果的にはスムーズにまとまるケースも多いです。

 

大切なのは、想定する買主層が何を求めているのかを理解すること。ファミリー層が多い地域なら、壁紙やトイレなどの清潔感が喜ばれますし、ワンルーム需要が高い地域ならむしろ設備より価格の安さや立地を重視する場合もあります。

 

Q6. リフォーム期間が長引くと仮住まい費用が不安…

 

A. リフォームが大規模になればなるほど、工期が長くなりがちで、その間の仮住まい費用は売主の負担となります。ビジネスホテルやマンスリーマンションを利用するだけで、数十万円かかる場合もあるでしょう。

 

工期を短縮するためには、(1) 過剰なリフォームをしない、(2) 複数のリフォーム業者の提案を比較し、短期施工に強みのあるところを選ぶ、(3) 軽微な作業は分割して住みながら工事できる箇所は住みながら進める…といった工夫が可能です。

 

また、リフォーム無しで売却し、買主が決まってから補修したいと言われた箇所を部分的に費用負担する形も選択肢の一つ。必ずしも売却前に完成させる必要があるかどうか、再検討してみると良いでしょう。

 

Q7. 不動産会社の紹介業者に依頼するのが一番?

 

A. 不動産会社の紹介業者が “絶対に一番” というわけではありませんが、「売却を前提にしたリフォーム」 のノウハウを持つ業者と繋がっていることが多く、結果的に話がスムーズに進むケースが多いです。信頼できる会社同士が連携していれば、極端に不要なリフォームを勧められるリスクは低く、また工事期間や費用の相談もしやすくなります。

 

ただし、紹介業者であっても複数社の見積もりをとることは大切です。相場感や施工内容を比較検討することで、「値段は少し高いけど保証が充実」「安価だが実績が少ない」など、特徴が明確に分かります。不動産会社からの提案と合わせ、自分に合った業者を最終的に選ぶのがベストです。

 

以上、リフォームに関して読者の方から寄せられがちな質問をピックアップし、回答をまとめました。まだ細かい疑問が残っている方もいるかもしれませんが、「やるべきリフォームを絞る」「費用対効果のシミュレーションをする」 といった基本姿勢が確立できていれば、あと一歩で行動に移しやすくなるはずです。

 

続いては、「8. 次のステップ:まずは不動産会社に相談&リフォーム業者を比較」の章で、不動産会社やリフォーム業者との具体的なやりとりを確認していきましょう。どのようにアプローチすれば、より安心かつ効率的に物件売却へ進められるのかを、引き続きご紹介します。

 

次のアクション:不動産会社に相談&リフォーム業者を比較

 

ここまで、不動産売却前に最低限行うべきリフォームのポイントや費用相場、悪徳業者への注意などを一通り解説してきました。では、実際に行動を起こすとしたら何から始めればよいのでしょうか? ここでは、すぐに取りかかれる具体的ステップを3つ挙げ、順に解説します。

 

① 不動産会社に無料査定を依頼する

 

まずは不動産会社に無料査定を依頼して、あなたの物件がどれくらいの価格帯で売れそうなのかを把握しましょう。査定の段階で、現地調査(訪問査定)をしてもらえば、リフォームの要不要も具体的にアドバイスをもらえる可能性が高いです。

 

オンラインの一括査定サイトを使うと、複数社の査定額が一度に比較できて便利
・地域密着の不動産会社や大手仲介会社など、数社をピックアップして申し込む
・「この家は壁紙が汚れていますが、張り替えたらどのくらい査定額が上がるでしょうか?」と率直に質問するのもOK

 

ここで得た情報が、「どこをどれだけリフォームするか?」 を考えるベースになります。

 

② 相見積もりでリフォーム業者を比較

 

査定結果の目安を掴んだら、リフォームをするかどうかを決めるために、リフォーム業者から見積もりを取りましょう。

 

最初は2~3社に依頼するのが目安
・「壁紙全面張り替え」「トイレ交換」「床の部分補修」など、具体的な要望を伝える
・なるべく現地を見てもらい、“その物件ならでは” の最適な施工プランを提案してもらう

 

見積もり内容を比較するときは、「諸経費」「下地処理費」「廃材処分費」 など内訳に注目してください。中にはぼったくりや不要な費用を計上する業者もいるため、気になる項目は遠慮なく質問しましょう。

 

③ 不動産会社の提携業者に相談する(必要に応じて)

 

「リフォーム業者を自力で探すのが大変」「信頼できる業者を選ぶ自信がない」という場合は、不動産会社に紹介してもらうのも手です。

 

・売却実績のある不動産会社なら、「同じ地域の類似物件で、○○さんという業者に頼んで好評だった」というケースを知っている
・自社提携のリフォーム業者がいる場合もあり、費用や工期の折り合いがつきやすい
・「余計な工事は勧めず、必要最低限のリフォームで早期売却に繋げましょう」といったスタンスの業者を紹介してもらえる可能性が高い

 

もちろん、提携業者=常に安心とは限りませんが、まったく未知の業者を自分で探すよりは情報量が多い分、安心感はあると言えるでしょう。

 

ここまで読んでいただき、「なるほど、まずは査定を受けてから考えればいいのか」と具体的な行動イメージが湧いてきたかもしれません。

 

最後の章では、本記事で解説してきた要点を改めて振り返るとともに、売却成功への心構えをまとめています。ぜひ最後までご覧ください。

 

まとめ&おわりに – 高く&スムーズに売るために

 

「中古不動産を高く&スムーズに売るためのリフォーム戦略」 と題し、ここまで多角的に解説してきました。最後にポイントを整理し、本記事の内容をコンパクトに振り返りましょう。

 

本記事の重要ポイント総ざらい


1. リフォームは “やりすぎ厳禁”
- 買主によっては「ここは自分の好みに合わせてリフォームしたい」と考えることがあるため、高級設備にまですべて変えるのは逆効果の場合も。


2. 最低限やっておきたい5つの箇所
- 壁紙(クロス):黄ばみやタバコのヤニは第一印象を下げる
- 傷ついた床:部屋全体の古びた印象を与えやすい
- トイレ:築10年以上なら交換が特に効果的
- 照明スイッチカバー:超低コストで清潔感を出せる
- 破れた障子・網戸:放置すると「管理の行き届いていない家」というマイナス評価に

3. 
リフォーム費用は100万円以内が目安
- 不必要な工事は避け、相見積もりでコストを抑える
- DIYでできる範囲は積極的に挑戦しても良い

4. 
悪徳業者に注意&不動産会社と連携
- 不明瞭な諸経費や急かす営業手口に警戒
- 不動産会社の紹介を受ければ、売却視点で必要なリフォームを検討しやすい


5. 具体的な行動ステップ
- 不動産会社に無料査定を依頼 → リフォーム業者から相見積もり → 必要最低限のリフォーム後に売却活動 → 内覧・契約

 

“高く売る” と “早く売る” を両立するためのコツ

 

多くの売主さんは「できるだけ高く売れれば嬉しいけど、売れるまでの時間が長引くのは困る」という二つの願いを持っています。高値を狙いすぎて必要以上のリフォームをすると、工事期間が延びて販売開始が遅れたり、費用を回収できなかったりといったリスクもあります。

 

一方で、必要最低限のリフォームだけでも、内覧者の印象は一気に変わるのが現実です。特に、壁紙や床、スイッチカバーなどの “見た目” に直結する部分が綺麗になっているかどうかで、内覧者が感じる「住みたい度合い」は大きく変化します。

 

これからの一歩をどう踏み出す?


物件の相場を知るために、一括査定サイトなどで査定を依頼 リフォームが必要そうな箇所をリストアップし、費用相場を調べる 複数業者から見積もりを取得して、費用と内容を比較 不安ならば不動産会社に相談し、必要な工事だけを選定 リフォームが完了したら、早めに売却活動を始めて内覧を受ける

 

この流れを踏んでいくことで、余計な出費や時間ロスを最小化しながら、あなたの物件を高く&早く売却できる可能性が高まるはずです。

 

この記事を書いた人
(株)あおぞら不動産 代表:高倉由浩
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