旧耐震基準の家は売れる?価格や売却方法、注意点まで解説|不動産売却コラム| | 横浜市の不動産売却、査定・買取なら(株)あおぞら不動産
旧耐震基準の家は売れる?価格や売却方法、注意点まで解説
目次
「大地震が来たらどうしよう…」
築年数が経った家で、そう不安に思っていませんか?
特に、1981年(昭和56年)6月1日より前に建てられた、いわゆる「旧耐震基準」の家に住んでいる方は、日々、地震の不安と隣り合わせなのではないでしょうか?
「このままでは心配すぎる…」
「でも、今更、売れるのだろうか?」
「買い叩かれてしまうんじゃないか…」
このような悩みをお持ちのあなたへ。
この記事では、旧耐震基準の家の売却について、価格や売却方法、注意点などをわかりやすく解説していきます。
この記事を読めば、旧耐震基準の家を売却する際に必要な知識を身につけることができ、抱えている不安や疑問を解消するヒントが見つかるかもしれません。
ぜひ、最後まで読んでみてください。
結論から言うと、旧耐震基準の家でも売却は可能です。
ただし、新耐震基準の家と比べると、売却には時間がかかったり、価格が下がったりする可能性があります。
これは、旧耐震基準の家は、地震に対する安全性で不利な点がいくつかあるためです。
具体的には、
・住宅ローン減税などの優遇制度が受けられない
・住宅ローンの審査が通りにくい
・地震保険料が高い
といった点が挙げられます。
そのため、購入希望者はどうしても新耐震基準の家を優先する傾向があり、旧耐震基準の家は売却に不利な状況にあります。
しかし、立地条件が良かったり、建物の状態が良好な場合は、旧耐震基準でも問題なく売れるケースも少なくありません。
また、「耐震リフォーム」を施すことで、建物の安全性を高め、売却しやすくする方法もあります。
旧耐震基準の家の売却を検討している方は、まずは複数の不動産会社に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
次の章では、旧耐震基準とは何か、新耐震基準とどのような違いがあるのかを詳しく解説していきます。
「旧耐震基準」という言葉は耳にしたことがあるけれど、具体的にどのような基準なのか、ご自身の家が当てはまるのか、わからない方もいるのではないでしょうか?
実は、家がいつ建てられたかによって、適用される耐震基準が異なります。
この章では、旧耐震基準の内容や、ご自身の家がいつの耐震基準で建てられたのかを確認する方法について解説していきます。
ご自身の家がどの基準に該当するのか、一緒に確認していきましょう。
旧耐震基準が適用されるのは、1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認申請が受理された建物です。
つまり、1981年6月1日以降に建築確認申請が受理された建物は、旧耐震基準ではなく、新しい耐震基準である「新耐震基準」が適用されます。
住宅の建築年は、一般的に以下の書類で確認できます。
・登記簿謄本: 法務局で取得可能
・建築確認通知書: 建築会社が保管している
これらの書類を確認して、ご自身の家が旧耐震基準に当てはまるのか、確認してみましょう。
もし、書類が見当たらない場合は、市役所や区役所の建築指導課に問い合わせてみると良いでしょう。
旧耐震基準と新耐震基準の大きな違いは、想定する地震の強さと建物の構造に関するものです。
1. 想定する地震の強さ
・旧耐震基準: 震度5強程度の中規模地震でも倒壊しないことを目標としていました。
・新耐震基準: 震度6強から7程度の大規模地震でも倒壊しにくく、人命を守れることを目標に定められました。
1981年6月1日より前に建てられた住宅が多く残る中、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災は、日本の住宅の耐震性を見直す大きな転換期となりました。
新耐震基準は、この大震災の教訓を踏まえ、より大規模な地震にも耐えられるよう強化された基準と言えます。
2. 建物の構造
新耐震基準では、建物の構造計算が厳格化され、壁の強度や配置、接合部の強度など、より詳細な基準が設けられました。
旧耐震基準と新耐震基準では、耐震性に対する考え方が大きく異なり、新耐震基準の方がより高い安全性を確保できるように設計されています。
実は、木造住宅に関しては、新耐震基準が導入された後も、さらなる耐震性の強化が図られています。
平成12年(2000年)の建築基準法改正により、木造住宅の耐震基準が見直され、より厳しい基準が設けられました。
木造住宅は、柱と柱の間に斜めに入れる「筋交い」や、建物の横揺れを防ぐ「耐力壁」によって強度を保っています。
改正された新耐震基準(現行基準)では、この耐力壁のバランスの良い配置や、筋交いの端部を金具で固定することなどが義務付けられました。
そのため、木造住宅の場合、平成12年より前に建てられたものは、新耐震基準を満たしていても、現行基準を満たしていないケースが多く、「既存不適格建築物」となっている可能性があります。
既存不適格建築物とは、法令の改正によって、現行の基準に合わなくなった建物のことを指します。
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の調査結果によると、実に9割以上の木造住宅が現行の耐震基準を満たしていないという報告もあるほどです。
ご自身の木造住宅がいつ建てられたものか、また、現行の耐震基準を満たしているのかどうか、不安な場合は専門家による耐震診断を受けることをおすすめします。
「旧耐震基準の家でも売れる」と説明しましたが、やはり新耐震基準と比べると、売却には不利な点がいくつかあります。
そのため、購入希望者は新耐震基準の家を優先する傾向があり、旧耐震基準の家は売却に時間がかかったり、価格が下がってしまう可能性があります。
この章では、旧耐震基準の家が売れにくい理由について、詳しく解説していきます。
ご自身の家が抱えるであろうデメリットを把握しておくことは、売却活動を進める上でとても重要です。
住宅の購入を検討する際、多くの人が利用を検討するのが「住宅ローン減税」などの優遇制度です。
しかし、これらの制度は、新耐震基準を満たす住宅を対象としている場合が多く、旧耐震基準の家は、これらの優遇制度の対象外となってしまうケースがほとんどです。
住宅ローン減税は、住宅ローン残高に応じて所得税が控除される制度であり、住宅購入者にとって大きなメリットとなります。
しかし、旧耐震基準の家では、この恩恵を受けることができず、購入者の負担が大きくなってしまいます。
そのため、購入希望者は、同じような条件であれば、優遇制度が受けられる新耐震基準の家を選びがちになり、結果として、旧耐震基準の家は売却活動で不利になってしまうのです。
住宅を購入する際、多くの人が住宅ローンを利用します。
しかし、旧耐震基準の家は、住宅ローンの審査が厳しくなる傾向にあります。
金融機関は、住宅ローンを貸し出す際、その住宅が将来にわたって価値を維持できるか、担保価値として十分かどうかを慎重に審査します。
旧耐震基準の家は、地震に対する安全性が低いと判断され、万が一、地震で損壊した場合、その価値が大きく下落する可能性があります。
そのため、金融機関は、旧耐震基準の家に対しては、ローン審査を厳格化したり、融資額を減額したりすることがあります。
住宅ローンが承認されなかったり、希望する金額を借りられなかったりすると、購入者はその物件の購入を諦めざるを得ない場合もあります。
結果として、旧耐震基準の家は、購入希望者にとってハードルが高くなり、売却が難航してしまうのです。
地震リスクに備えるためには、地震保険への加入が重要ですが、旧耐震基準の家は、地震保険料が高額になる傾向にあります。
地震保険料は、建物の構造や耐震性によって大きく異なります。旧耐震基準の家は、新耐震基準の家に比べて地震に対する強度が低いため、地震保険会社は、より多くの保険金を支払うリスクを抱えることになります。
そのため、地震保険料は、新耐震基準の家に比べて割高に設定されることが一般的です。
地震保険料の負担増は、購入希望者にとって大きなマイナスポイントとなり、結果として、旧耐震基準の家は敬遠されがちになり、売却価格への影響も避けられません。
近年、地震の発生頻度が高まり、地震に対する関心がますます高まっている中、住宅の耐震性は、購入希望者にとって非常に重要な判断材料となっています。
旧耐震基準の家は、現行の耐震基準に比べて地震への備えが不足しているというイメージが強く、購入希望者は、住宅の安全性について、どうしても不安を感じてしまうものです。
たとえ、住宅の価格が割安であっても、将来、大地震が発生した場合の安全性を考えると、購入をためらう方が多いのは当然と言えるでしょう。
また、住宅ローン減税などの優遇制度が受けられないことや、住宅ローンの審査が厳しくなることも、購入希望者の不安をさらに増幅させる要因となっています。
安心・安全な暮らしを求める購入希望者にとって、これらの不安要素は大きく、旧耐震基準の家は、敬遠されやすい状況にあると言えるでしょう。
ここまで、旧耐震基準の家が抱えるデメリットを解説してきましたが、「だからといって売れないわけではない」というのが現実です。
旧耐震基準の家を売却するには、いくつかの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
ご自身の状況や希望に合った方法を選ぶことが大切です。
この章では、旧耐震基準の家を売却する方法を3つご紹介し、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
旧耐震基準の家を売却する方法として、最も一般的なのが、不動産会社に仲介を依頼する方法です。
不動産会社に仲介を依頼するメリットは、以下の点が挙げられます。
◯専門知識と経験が豊富なため、安心できる
・不動産会社は、不動産取引のプロフェッショナルです。
・売却活動に必要な手続きや法律、相場などを熟知しており、売主をサポートしてくれます。
・売却活動に関する不安や疑問を解消しながら、安心して取引を進めることができます。
◯幅広い販売活動を行ってくれる
・不動産会社は、自社の顧客ネットワークや、インターネット広告、チラシ配布など、様々な方法で物件の販売活動を行います。
・売主が自ら行うよりも、多くの購入希望者にアプローチできる可能性が高くなります。
◯価格交渉や契約条件の調整などを代行してくれる
・不動産会社は、売主と買主の間に立って、価格交渉や契約条件の調整などを代行してくれます。
・売主は、直接、買主と交渉する必要がなく、精神的な負担を軽減できます。
一方で、デメリットとしては、仲介手数料が発生することが挙げられます。
仲介手数料は、成功報酬型で、売買契約が成立した場合にのみ支払いが発生します。
金額は、法律で上限が定められており、物件価格の3%+6万円(税別)となっています。
不動産会社に仲介を依頼する場合は、複数の会社に査定を依頼し、比較検討することが重要です。
不動産買取業者とは、顧客から直接不動産を買い取り、自社で再販したり、賃貸に出したりする業者です。
仲介と異なり、買取業者が買い手となるため、販売活動を行う必要がありません。
不動産買取業者に依頼するメリットは、以下の点が挙げられます。
◯スピーディーな売却が可能
・買い手が決まっているため、販売活動を行う必要がなく、短期間での売却が可能です。
◯確実な売却が可能
・買い手が確定しているため、確実に売却することができます。
・仲介のように、販売活動が長引いたり、買い手がつかなかったりするリスクがありません。
◯売却活動の手間がかからない
・販売活動や内覧対応など、売却活動の手間を省くことができます。
・仕事などで忙しい方や、早期に売却を希望する方におすすめの方法です。
一方で、デメリットとしては、仲介に比べて売却価格が低くなる傾向があることが挙げられます。
おおよそ相場の約7割り程度となるのが一般的です。
買取業者は、買い取った不動産を再販することを前提としているため、リフォーム費用や維持費などを考慮して、買取価格を算出します。
また、すべての不動産買取業者が、旧耐震基準の物件を積極的に買取っているわけではありません。
買取を希望する場合は、事前に複数の買取業者に査定を依頼し、比較検討することが重要です。
旧耐震基準の家でも、耐震リフォームを施すことで、建物の安全性を高め、売却しやすくすることができます。
耐震リフォームには、以下のようなメリットがあります。
◯建物の資産価値を高めることができる
・耐震性が向上することで、建物の資産価値が高まり、売却価格への期待値も高まります。
・購入希望者にとっても、耐震性の高い住宅は安心材料となり、購入意欲の向上に繋がります。
◯地震保険料を軽減できる可能性がある
・耐震リフォームを行うことで、地震保険料が割引になる場合があります。
・保険会社やリフォーム内容によって割引率は異なりますが、 将来的に負担を軽減できる可能性があります。
◯安心して住み続けることができる
・もし、すぐに売却する予定がなくても、耐震リフォームを行うことで、安心して住み続けることができます。
・将来的に、売却以外の選択肢も広がります。
一方で、耐震リフォームには、ある程度の費用と時間がかかるというデメリットもあります。
リフォームの内容や規模にもよりますが、約150万円から200万円以上の費用がかかるケースも少なくありません。
耐震リフォームを検討する際は、複数のリフォーム会社から見積もりを取り、費用対効果を比較検討することが重要です。
また、耐震リフォームには、一定の補助金制度が設けられている場合もあります。
お住まいの自治体の窓口に相談してみるのも良いでしょう。
気になるのは、やはり「旧耐震基準だと、売却価格にどれくらい影響するのか?」という点ではないでしょうか?
旧耐震基準は、新耐震基準と比べて売却価格が低くなる傾向にありますが、一概に「これくらい下がる」と断言することはできません。
ここでは、旧耐震基準が売却価格に与える影響について、詳しく解説していきます。
旧耐震基準の家は、新耐震基準の家に比べて、売却価格が安くなる傾向にあります。
これは、前章までで解説してきたように、住宅ローン減税などの優遇制度が受けられないことや、住宅ローンの審査が厳しくなること、地震保険料が高いこと、購入者の不安が大きいことなどが理由として挙げられます。
これらの要素が複合的に作用することで、旧耐震基準の家は、新耐震基準の家に比べて需要が低くなり、価格が下落してしまうのです。
具体的に、どの程度価格が下がるかは、物件の状態や立地、市場の動向などによって大きく異なります。
しかし、一般的には、新耐震基準の家に比べて、10%〜30%程度価格が下がるケースが多いと言われています。
旧耐震基準の家の売却価格は、耐震基準だけでなく、立地や建物の状態によっても大きく左右されます。
1. 立地条件が良い場合
駅に近い、商業施設が充実している、閑静な住宅街など、立地条件が良い場合は、旧耐震基準であっても、価格が大きく下落しないケースがあります。
需要の高いエリアでは、多少のデメリットがあっても、購入希望者が集まりやすく、価格が維持されやすい傾向があります。
2. 建物の状態が良い場合
築年数が経過していても、適切なメンテナンスやリフォームが施され、建物の状態が良い場合は、旧耐震基準であっても、価格が下がりにくくなります。
逆に、老朽化が進み、修繕費用が嵩むような物件は、耐震基準以前の問題として、価格が大きく下落する可能性があります。
3. その他の要素
間取りや日当たり、周辺環境なども、売却価格に影響を与える要素となります。
売却活動を行う際は、これらの要素を総合的に考慮し、適切な価格設定を行うことが重要です。
旧耐震基準の家を少しでも高く、スムーズに売却するためには、事前にしっかりと準備しておくことが大切です。
この章では、売却活動を始める前に、やっておくべきことについて具体的に解説していきます。
事前準備をしっかりとしておくことで、売却活動がスムーズに進み、納得のいく取引に繋がる可能性が高まります。
旧耐震基準の家の売却を検討する際は、まず複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。
査定とは、不動産会社が、物件の立地条件や築年数、市場価格などを考慮して、売却価格の目安を算出することです。
複数の不動産会社に査定を依頼することで、以下のメリットがあります。
◯より正確な市場価格を把握できる
・不動産会社によって、査定額は異なる場合があります。
・複数の査定額を比較することで、より正確な市場価格を把握することができます。
◯自分に合った不動産会社を見つけられる
・不動産会社によって、得意な分野や営業スタイルは様々です。
・複数の不動産会社と接することで、自分に合った会社を見つけやすくなります。
◯売却活動がスムーズに進む
・事前に複数の不動産会社と関係性を築いておくことで、売却活動がスムーズに進む可能性が高まります。
査定は無料で行っている不動産会社がほとんどなので、気軽に依頼してみましょう。
また、査定結果を比較する際は、単に金額だけで判断するのではなく、それぞれの不動産会社の得意分野や営業スタイル、担当者の対応なども考慮することが大切です。
査定額を元に、売却価格を決めるわけですが、その際には、なぜその価格を設定するのか、根拠を明確にしておくことが重要です。
購入希望者から価格交渉をされた際に、根拠を示して説明することで、納得してもらいやすくなるだけでなく、その後の交渉もスムーズに進みやすくなります。
売却価格の根拠としては、以下のような点が挙げられます。
◯周辺の類似物件の取引事例
・同じエリアで、同程度の築年数や広さの物件が、いくらで売却されているのかを調べておきましょう。
・不動産会社から、過去の取引事例を提示してもらうと参考になります。
◯リフォームや修繕履歴
・リフォームや修繕を行っている場合は、その内容をアピールすることで、価格への理解を得やすくなります。
・いつ、どのようなリフォームや修繕を行ったのか、記録を残しておきましょう。
◯物件のセールスポイント
・立地条件が良い、日当たりが良い、間取りが魅力的など、物件のセールスポイントを明確にしておきましょう。
これらの情報を整理し、売却価格の根拠を明確に説明できるようにしておきましょう。
この記事では、旧耐震基準の家の売却について解説してきました。
旧耐震基準の家は、新耐震基準の家に比べて、売却に不利な点があることは事実です。
住宅ローン減税などの優遇制度が受けられないことや、地震保険料が高いことなどから、購入希望者から敬遠されがちで、売却価格が低くなってしまったり、売却に時間がかかってしまったりする可能性があります。
しかし、だからといって、旧耐震基準の家が売れないわけではありません。
立地条件が良かったり、建物の状態が良好な場合は、早期に買い手が見つかるケースも少なくありません。
また、不動産会社に仲介を依頼したり、耐震リフォームを検討したりすることで、売却の可能性を高めることも可能です。
旧耐震基準の家の売却を検討する際は、この記事で紹介した内容を踏まえ、ご自身の状況に合わせて、最適な方法を選択していくようにしましょう。
築年数が経った家で、そう不安に思っていませんか?
特に、1981年(昭和56年)6月1日より前に建てられた、いわゆる「旧耐震基準」の家に住んでいる方は、日々、地震の不安と隣り合わせなのではないでしょうか?
「このままでは心配すぎる…」
「でも、今更、売れるのだろうか?」
「買い叩かれてしまうんじゃないか…」
このような悩みをお持ちのあなたへ。
この記事では、旧耐震基準の家の売却について、価格や売却方法、注意点などをわかりやすく解説していきます。
この記事を読めば、旧耐震基準の家を売却する際に必要な知識を身につけることができ、抱えている不安や疑問を解消するヒントが見つかるかもしれません。
ぜひ、最後まで読んでみてください。
旧耐震基準の家って売れるの?
結論から言うと、旧耐震基準の家でも売却は可能です。
ただし、新耐震基準の家と比べると、売却には時間がかかったり、価格が下がったりする可能性があります。
これは、旧耐震基準の家は、地震に対する安全性で不利な点がいくつかあるためです。
具体的には、
・住宅ローン減税などの優遇制度が受けられない
・住宅ローンの審査が通りにくい
・地震保険料が高い
といった点が挙げられます。
そのため、購入希望者はどうしても新耐震基準の家を優先する傾向があり、旧耐震基準の家は売却に不利な状況にあります。
しかし、立地条件が良かったり、建物の状態が良好な場合は、旧耐震基準でも問題なく売れるケースも少なくありません。
また、「耐震リフォーム」を施すことで、建物の安全性を高め、売却しやすくする方法もあります。
旧耐震基準の家の売却を検討している方は、まずは複数の不動産会社に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
次の章では、旧耐震基準とは何か、新耐震基準とどのような違いがあるのかを詳しく解説していきます。
旧耐震基準とは?
「旧耐震基準」という言葉は耳にしたことがあるけれど、具体的にどのような基準なのか、ご自身の家が当てはまるのか、わからない方もいるのではないでしょうか?
実は、家がいつ建てられたかによって、適用される耐震基準が異なります。
この章では、旧耐震基準の内容や、ご自身の家がいつの耐震基準で建てられたのかを確認する方法について解説していきます。
ご自身の家がどの基準に該当するのか、一緒に確認していきましょう。
いつ建てられた家が旧耐震?
旧耐震基準が適用されるのは、1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認申請が受理された建物です。
つまり、1981年6月1日以降に建築確認申請が受理された建物は、旧耐震基準ではなく、新しい耐震基準である「新耐震基準」が適用されます。
住宅の建築年は、一般的に以下の書類で確認できます。
・登記簿謄本: 法務局で取得可能
・建築確認通知書: 建築会社が保管している
これらの書類を確認して、ご自身の家が旧耐震基準に当てはまるのか、確認してみましょう。
もし、書類が見当たらない場合は、市役所や区役所の建築指導課に問い合わせてみると良いでしょう。
新耐震基準との違いは?
旧耐震基準と新耐震基準の大きな違いは、想定する地震の強さと建物の構造に関するものです。
1. 想定する地震の強さ
・旧耐震基準: 震度5強程度の中規模地震でも倒壊しないことを目標としていました。
・新耐震基準: 震度6強から7程度の大規模地震でも倒壊しにくく、人命を守れることを目標に定められました。
1981年6月1日より前に建てられた住宅が多く残る中、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災は、日本の住宅の耐震性を見直す大きな転換期となりました。
新耐震基準は、この大震災の教訓を踏まえ、より大規模な地震にも耐えられるよう強化された基準と言えます。
2. 建物の構造
新耐震基準では、建物の構造計算が厳格化され、壁の強度や配置、接合部の強度など、より詳細な基準が設けられました。
旧耐震基準と新耐震基準では、耐震性に対する考え方が大きく異なり、新耐震基準の方がより高い安全性を確保できるように設計されています。
木造住宅の場合は平成12年にも新基準が設けられている
実は、木造住宅に関しては、新耐震基準が導入された後も、さらなる耐震性の強化が図られています。
平成12年(2000年)の建築基準法改正により、木造住宅の耐震基準が見直され、より厳しい基準が設けられました。
木造住宅は、柱と柱の間に斜めに入れる「筋交い」や、建物の横揺れを防ぐ「耐力壁」によって強度を保っています。
改正された新耐震基準(現行基準)では、この耐力壁のバランスの良い配置や、筋交いの端部を金具で固定することなどが義務付けられました。
そのため、木造住宅の場合、平成12年より前に建てられたものは、新耐震基準を満たしていても、現行基準を満たしていないケースが多く、「既存不適格建築物」となっている可能性があります。
既存不適格建築物とは、法令の改正によって、現行の基準に合わなくなった建物のことを指します。
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の調査結果によると、実に9割以上の木造住宅が現行の耐震基準を満たしていないという報告もあるほどです。
ご自身の木造住宅がいつ建てられたものか、また、現行の耐震基準を満たしているのかどうか、不安な場合は専門家による耐震診断を受けることをおすすめします。
旧耐震基準の家が売れにくい理由
「旧耐震基準の家でも売れる」と説明しましたが、やはり新耐震基準と比べると、売却には不利な点がいくつかあります。
そのため、購入希望者は新耐震基準の家を優先する傾向があり、旧耐震基準の家は売却に時間がかかったり、価格が下がってしまう可能性があります。
この章では、旧耐震基準の家が売れにくい理由について、詳しく解説していきます。
ご自身の家が抱えるであろうデメリットを把握しておくことは、売却活動を進める上でとても重要です。
住宅ローン減税などの優遇制度が受けられない
住宅の購入を検討する際、多くの人が利用を検討するのが「住宅ローン減税」などの優遇制度です。
しかし、これらの制度は、新耐震基準を満たす住宅を対象としている場合が多く、旧耐震基準の家は、これらの優遇制度の対象外となってしまうケースがほとんどです。
住宅ローン減税は、住宅ローン残高に応じて所得税が控除される制度であり、住宅購入者にとって大きなメリットとなります。
しかし、旧耐震基準の家では、この恩恵を受けることができず、購入者の負担が大きくなってしまいます。
そのため、購入希望者は、同じような条件であれば、優遇制度が受けられる新耐震基準の家を選びがちになり、結果として、旧耐震基準の家は売却活動で不利になってしまうのです。
住宅ローンの審査が通りにくい
住宅を購入する際、多くの人が住宅ローンを利用します。
しかし、旧耐震基準の家は、住宅ローンの審査が厳しくなる傾向にあります。
金融機関は、住宅ローンを貸し出す際、その住宅が将来にわたって価値を維持できるか、担保価値として十分かどうかを慎重に審査します。
旧耐震基準の家は、地震に対する安全性が低いと判断され、万が一、地震で損壊した場合、その価値が大きく下落する可能性があります。
そのため、金融機関は、旧耐震基準の家に対しては、ローン審査を厳格化したり、融資額を減額したりすることがあります。
住宅ローンが承認されなかったり、希望する金額を借りられなかったりすると、購入者はその物件の購入を諦めざるを得ない場合もあります。
結果として、旧耐震基準の家は、購入希望者にとってハードルが高くなり、売却が難航してしまうのです。
地震保険料が高くなる
地震リスクに備えるためには、地震保険への加入が重要ですが、旧耐震基準の家は、地震保険料が高額になる傾向にあります。
地震保険料は、建物の構造や耐震性によって大きく異なります。旧耐震基準の家は、新耐震基準の家に比べて地震に対する強度が低いため、地震保険会社は、より多くの保険金を支払うリスクを抱えることになります。
そのため、地震保険料は、新耐震基準の家に比べて割高に設定されることが一般的です。
地震保険料の負担増は、購入希望者にとって大きなマイナスポイントとなり、結果として、旧耐震基準の家は敬遠されがちになり、売却価格への影響も避けられません。
買主の不安が大きい
近年、地震の発生頻度が高まり、地震に対する関心がますます高まっている中、住宅の耐震性は、購入希望者にとって非常に重要な判断材料となっています。
旧耐震基準の家は、現行の耐震基準に比べて地震への備えが不足しているというイメージが強く、購入希望者は、住宅の安全性について、どうしても不安を感じてしまうものです。
たとえ、住宅の価格が割安であっても、将来、大地震が発生した場合の安全性を考えると、購入をためらう方が多いのは当然と言えるでしょう。
また、住宅ローン減税などの優遇制度が受けられないことや、住宅ローンの審査が厳しくなることも、購入希望者の不安をさらに増幅させる要因となっています。
安心・安全な暮らしを求める購入希望者にとって、これらの不安要素は大きく、旧耐震基準の家は、敬遠されやすい状況にあると言えるでしょう。
横浜市で空家・空地を高く売るのなら、あおぞら不動産にお任せください!詳細は当社「空家・空地の販売」ページからご確認いただけます。
旧耐震基準の家を売る方法
ここまで、旧耐震基準の家が抱えるデメリットを解説してきましたが、「だからといって売れないわけではない」というのが現実です。
旧耐震基準の家を売却するには、いくつかの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
ご自身の状況や希望に合った方法を選ぶことが大切です。
この章では、旧耐震基準の家を売却する方法を3つご紹介し、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
不動産会社に仲介を依頼する
旧耐震基準の家を売却する方法として、最も一般的なのが、不動産会社に仲介を依頼する方法です。
不動産会社に仲介を依頼するメリットは、以下の点が挙げられます。
◯専門知識と経験が豊富なため、安心できる
・不動産会社は、不動産取引のプロフェッショナルです。
・売却活動に必要な手続きや法律、相場などを熟知しており、売主をサポートしてくれます。
・売却活動に関する不安や疑問を解消しながら、安心して取引を進めることができます。
◯幅広い販売活動を行ってくれる
・不動産会社は、自社の顧客ネットワークや、インターネット広告、チラシ配布など、様々な方法で物件の販売活動を行います。
・売主が自ら行うよりも、多くの購入希望者にアプローチできる可能性が高くなります。
◯価格交渉や契約条件の調整などを代行してくれる
・不動産会社は、売主と買主の間に立って、価格交渉や契約条件の調整などを代行してくれます。
・売主は、直接、買主と交渉する必要がなく、精神的な負担を軽減できます。
一方で、デメリットとしては、仲介手数料が発生することが挙げられます。
仲介手数料は、成功報酬型で、売買契約が成立した場合にのみ支払いが発生します。
金額は、法律で上限が定められており、物件価格の3%+6万円(税別)となっています。
不動産会社に仲介を依頼する場合は、複数の会社に査定を依頼し、比較検討することが重要です。
不動産買取業者に依頼する
不動産買取業者とは、顧客から直接不動産を買い取り、自社で再販したり、賃貸に出したりする業者です。
仲介と異なり、買取業者が買い手となるため、販売活動を行う必要がありません。
不動産買取業者に依頼するメリットは、以下の点が挙げられます。
◯スピーディーな売却が可能
・買い手が決まっているため、販売活動を行う必要がなく、短期間での売却が可能です。
◯確実な売却が可能
・買い手が確定しているため、確実に売却することができます。
・仲介のように、販売活動が長引いたり、買い手がつかなかったりするリスクがありません。
◯売却活動の手間がかからない
・販売活動や内覧対応など、売却活動の手間を省くことができます。
・仕事などで忙しい方や、早期に売却を希望する方におすすめの方法です。
一方で、デメリットとしては、仲介に比べて売却価格が低くなる傾向があることが挙げられます。
おおよそ相場の約7割り程度となるのが一般的です。
買取業者は、買い取った不動産を再販することを前提としているため、リフォーム費用や維持費などを考慮して、買取価格を算出します。
また、すべての不動産買取業者が、旧耐震基準の物件を積極的に買取っているわけではありません。
買取を希望する場合は、事前に複数の買取業者に査定を依頼し、比較検討することが重要です。
耐震リフォームを検討する
旧耐震基準の家でも、耐震リフォームを施すことで、建物の安全性を高め、売却しやすくすることができます。
耐震リフォームには、以下のようなメリットがあります。
◯建物の資産価値を高めることができる
・耐震性が向上することで、建物の資産価値が高まり、売却価格への期待値も高まります。
・購入希望者にとっても、耐震性の高い住宅は安心材料となり、購入意欲の向上に繋がります。
◯地震保険料を軽減できる可能性がある
・耐震リフォームを行うことで、地震保険料が割引になる場合があります。
・保険会社やリフォーム内容によって割引率は異なりますが、 将来的に負担を軽減できる可能性があります。
◯安心して住み続けることができる
・もし、すぐに売却する予定がなくても、耐震リフォームを行うことで、安心して住み続けることができます。
・将来的に、売却以外の選択肢も広がります。
一方で、耐震リフォームには、ある程度の費用と時間がかかるというデメリットもあります。
リフォームの内容や規模にもよりますが、約150万円から200万円以上の費用がかかるケースも少なくありません。
耐震リフォームを検討する際は、複数のリフォーム会社から見積もりを取り、費用対効果を比較検討することが重要です。
また、耐震リフォームには、一定の補助金制度が設けられている場合もあります。
お住まいの自治体の窓口に相談してみるのも良いでしょう。
売却価格への影響は?
気になるのは、やはり「旧耐震基準だと、売却価格にどれくらい影響するのか?」という点ではないでしょうか?
旧耐震基準は、新耐震基準と比べて売却価格が低くなる傾向にありますが、一概に「これくらい下がる」と断言することはできません。
ここでは、旧耐震基準が売却価格に与える影響について、詳しく解説していきます。
旧耐震基準は価格が安くなる傾向
旧耐震基準の家は、新耐震基準の家に比べて、売却価格が安くなる傾向にあります。
これは、前章までで解説してきたように、住宅ローン減税などの優遇制度が受けられないことや、住宅ローンの審査が厳しくなること、地震保険料が高いこと、購入者の不安が大きいことなどが理由として挙げられます。
これらの要素が複合的に作用することで、旧耐震基準の家は、新耐震基準の家に比べて需要が低くなり、価格が下落してしまうのです。
具体的に、どの程度価格が下がるかは、物件の状態や立地、市場の動向などによって大きく異なります。
しかし、一般的には、新耐震基準の家に比べて、10%〜30%程度価格が下がるケースが多いと言われています。
立地や建物の状態も影響
旧耐震基準の家の売却価格は、耐震基準だけでなく、立地や建物の状態によっても大きく左右されます。
1. 立地条件が良い場合
駅に近い、商業施設が充実している、閑静な住宅街など、立地条件が良い場合は、旧耐震基準であっても、価格が大きく下落しないケースがあります。
需要の高いエリアでは、多少のデメリットがあっても、購入希望者が集まりやすく、価格が維持されやすい傾向があります。
2. 建物の状態が良い場合
築年数が経過していても、適切なメンテナンスやリフォームが施され、建物の状態が良い場合は、旧耐震基準であっても、価格が下がりにくくなります。
逆に、老朽化が進み、修繕費用が嵩むような物件は、耐震基準以前の問題として、価格が大きく下落する可能性があります。
3. その他の要素
間取りや日当たり、周辺環境なども、売却価格に影響を与える要素となります。
売却活動を行う際は、これらの要素を総合的に考慮し、適切な価格設定を行うことが重要です。
旧耐震基準の家の売却前にするべきこと
旧耐震基準の家を少しでも高く、スムーズに売却するためには、事前にしっかりと準備しておくことが大切です。
この章では、売却活動を始める前に、やっておくべきことについて具体的に解説していきます。
事前準備をしっかりとしておくことで、売却活動がスムーズに進み、納得のいく取引に繋がる可能性が高まります。
複数の不動産会社に査定依頼
旧耐震基準の家の売却を検討する際は、まず複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。
査定とは、不動産会社が、物件の立地条件や築年数、市場価格などを考慮して、売却価格の目安を算出することです。
複数の不動産会社に査定を依頼することで、以下のメリットがあります。
◯より正確な市場価格を把握できる
・不動産会社によって、査定額は異なる場合があります。
・複数の査定額を比較することで、より正確な市場価格を把握することができます。
◯自分に合った不動産会社を見つけられる
・不動産会社によって、得意な分野や営業スタイルは様々です。
・複数の不動産会社と接することで、自分に合った会社を見つけやすくなります。
◯売却活動がスムーズに進む
・事前に複数の不動産会社と関係性を築いておくことで、売却活動がスムーズに進む可能性が高まります。
査定は無料で行っている不動産会社がほとんどなので、気軽に依頼してみましょう。
また、査定結果を比較する際は、単に金額だけで判断するのではなく、それぞれの不動産会社の得意分野や営業スタイル、担当者の対応なども考慮することが大切です。
売却価格の根拠を明確にする
査定額を元に、売却価格を決めるわけですが、その際には、なぜその価格を設定するのか、根拠を明確にしておくことが重要です。
購入希望者から価格交渉をされた際に、根拠を示して説明することで、納得してもらいやすくなるだけでなく、その後の交渉もスムーズに進みやすくなります。
売却価格の根拠としては、以下のような点が挙げられます。
◯周辺の類似物件の取引事例
・同じエリアで、同程度の築年数や広さの物件が、いくらで売却されているのかを調べておきましょう。
・不動産会社から、過去の取引事例を提示してもらうと参考になります。
◯リフォームや修繕履歴
・リフォームや修繕を行っている場合は、その内容をアピールすることで、価格への理解を得やすくなります。
・いつ、どのようなリフォームや修繕を行ったのか、記録を残しておきましょう。
◯物件のセールスポイント
・立地条件が良い、日当たりが良い、間取りが魅力的など、物件のセールスポイントを明確にしておきましょう。
これらの情報を整理し、売却価格の根拠を明確に説明できるようにしておきましょう。
まとめ
この記事では、旧耐震基準の家の売却について解説してきました。
旧耐震基準の家は、新耐震基準の家に比べて、売却に不利な点があることは事実です。
住宅ローン減税などの優遇制度が受けられないことや、地震保険料が高いことなどから、購入希望者から敬遠されがちで、売却価格が低くなってしまったり、売却に時間がかかってしまったりする可能性があります。
しかし、だからといって、旧耐震基準の家が売れないわけではありません。
立地条件が良かったり、建物の状態が良好な場合は、早期に買い手が見つかるケースも少なくありません。
また、不動産会社に仲介を依頼したり、耐震リフォームを検討したりすることで、売却の可能性を高めることも可能です。
旧耐震基準の家の売却を検討する際は、この記事で紹介した内容を踏まえ、ご自身の状況に合わせて、最適な方法を選択していくようにしましょう。
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