不動産売却成功の意外な決め手!ニオイ対策の重要性| | 横浜市の不動産売却、査定・買取なら(株)あおぞら不動産
不動産売却成功の意外な決め手!ニオイ対策の重要性
皆さん、こんにちは。高倉です。
「内見の予約が入ったけど、家のニオイが気になる…」 「せっかく内見に来てもらったのに、なんだか反応が今ひとつだった…」
こんな経験はありませんか?
実は、不動産売却において見落とされがちだけれど非常に重要な要素が「ニオイ」なんです。私たちあおぞら不動産の調査によると、内見時の印象を左右する要因として「ニオイ」は「清潔感」「採光」に次いで3番目に重要な要素となっています。
実際、消臭剤メーカーの調査でも「他人のお宅に行って気になること」の第2位に「その家独特の臭い」が挙げられており、回答者の約24.3%が気になると答えています。それだけ他人の家のニオイは印象に直結しやすいのです。
特に日本の住宅事情では湿気が多く、また靴を脱いで室内に入る文化があるため、ニオイの問題は欧米以上に重要視されています。しかし、自分の家のニオイには慣れてしまっているため、売主様自身が気づきにくいという難しさがあります。
どんなにきれいに掃除された部屋でも、住人にはわからない生活臭が漂っていることは珍しくありません。そして内覧に訪れた買主候補は、その家に一歩入った瞬間のニオイで無意識に印象を形成してしまうのです。
今回は、私が現場で数多くの成功事例を見てきた経験から、効果的なニオイ対策をご紹介します。
なぜニオイ対策が売却価格に影響するのか?
不動産売却においてニオイ対策が重要な理由は単純です。人間は五感の中でも嗅覚の情報が感情や記憶と強く結びついているからです。玄関を開けた瞬間に不快なニオイを感じてしまうと、その後どれだけ物件の良さをアピールしても、最初の悪い印象を覆すことは難しいんです。
実際、「内覧時に苦手な匂いを嗅ぐと、82.5%の人が物件に対してマイナスの印象を持つ」というアンケート結果もあります。嗅覚からの情報は大脳辺縁系で直接処理され、理屈抜きで感情に影響を与えやすいため、わずかな悪臭でも購入意欲を大きく下げてしまうのです。
さらに、ニオイは「清潔感」「手入れの行き届き具合」「住人の生活習慣」を判断する無意識の材料にもなります。不快なニオイがした瞬間、「この家に住むと毎日このニオイに悩まされるのでは?」という不安を抱かせてしまい、物件本来の価値まで過小評価されかねません。
弊社の取引データを見ると、条件が同程度の物件でもニオイ対策の有無で成約価格に平均3〜5%もの差が生じるケースもあります。例えば3,000万円の物件であれば、約90〜150万円もの差になる可能性があるのです。ニオイ対策は単なる「消臭」の話ではなく、物件の価値を正当に評価してもらうための重要な投資と言えるでしょう。
プロが実践する効果的なニオイ対策5選
私が現場で効果を実感している対策方法を5つご紹介します。特別な道具や高額な費用をかけずにすぐ実践できるものばかりですので、ぜひ売却活動に取り入れてみてください。
1. 徹底的な換気で空気を入れ替える
最も基本的かつ効果的な対策は「換気」です。特に日本の住宅は気密性が高いため、意識的に空気を入れ替えないとニオイがこもりがちになります。
朝晩の涼しい時間帯に、対角線上の窓を開けて空気の通り道を作ることで効率よく換気できます。これを「クロス換気」と呼びますが、単に窓を開けるだけよりも効果が高いんです。内見の予約が入ったら少なくとも30分前から全室の窓を開け、たっぷり新鮮な空気を通しましょう。
また、換気扇やサーキュレーターを活用するとより効率的に空気を循環させることができます。特にキッチンや浴室などニオイが発生しやすい場所は重点的に換気し、湿気も残さないようにしましょう。
2. ニオイの発生源を特定して対処する
家の中のイヤなニオイには必ず発生源があります。まずは原因を突き止めることが大切です。一般的なニオイの発生源としては以下のようなものがあります:
◯キッチン:排水口、ゴミ箱、冷蔵庫内の食べ物の腐敗臭
◯浴室・洗面所:排水口、カビ、洗濯機周辺の臭い
◯トイレ:便器周り、床や壁に染み付いた尿臭、排水口
◯リビング:ペットの寝床、カーペット・ソファ、生ゴミの一時保管場所
◯寝室:寝具(枕やマットレス)、クローゼット内、カーテン
自分では気づきにくいニオイを見つけるには、1週間ほど家を空けてから帰宅した時や、朝起きてすぐの嗅覚が敏感な時に確認するのが効果的です。また、信頼できる友人や私たち不動産会社のスタッフに率直な意見を聞くのも良い方法です。
発生源が特定できたら、適切な洗浄や消臭を行いましょう。特に排水口の掃除は忘れずに行ってください。家の嫌な臭いの原因で最も多いのはキッチンや風呂など水回りからの臭気です。見落としがちなのは洗濯機の排水溝で、ホースとの隙間から下水臭が上がることもあります。
実際、ある調査では内覧時に気になった臭いとして「水回りの排水臭やカビ臭」が約51.8%で最も多く、次いで「トイレ臭」46.6%、「玄関の靴箱臭」33.0%と報告されています。こうしたデータから見ても、水回りやトイレ、玄関周りのニオイ対策が特に重要だと分かります。
3. 内見前の緊急対策テクニック
内見直前になって「やっぱりまだニオイが気になる…!」という場合に役立つ緊急対処法をご紹介します。
急な内見の前には、重曹水スプレーが大活躍します。水500mlに対して重曹大さじ1を溶かしたものをスプレーボトルに入れて、カーテンやソファなどの布製品に軽く吹きかけるだけで、ニオイを中和する効果があります。重曹は弱アルカリ性のため、酸性の臭気を中和して脱臭する効果があります。
また、コーヒー豆やレモンの皮を使った自然な芳香・消臭対策も効果的です。コーヒーは炭と同じように内部に小さな穴が無数に開いており、その構造が臭いを吸着するため消臭剤として使えます。小皿にコーヒー豆を盛って室内に置けば、ほんのりコーヒーの香りが広がると同時に他のニオイを和らげてくれるでしょう。
レモンなど柑橘類の皮もおすすめです。キッチンの排水口にレモンの輪切りを数枚入れて温水を流すと、排水口の臭い消しになるうえ爽やかな香りが立ち上ります。これら天然素材の香りは穏やかで清潔感があるため、内見者に好印象を与えやすいでしょう。
ただし、香水や強すぎる芳香剤でニオイをごまかそうとするのは逆効果になる場合があります。人工的で強い香りは「何か臭いをごまかしているのでは?」と勘繰られ、不信感を与えかねません。あくまで自然な清潔感を演出することが重要です。
4. 湿気対策でカビ臭を防止する
日本の梅雨時期や夏場は特に湿度が高く、湿気によるカビ臭には注意が必要です。カビは発生すると独特の嫌な臭いを放つだけでなく、胞子が空気中に飛散して健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
湿気対策の基本は、やはり換気と除湿です。除湿機の使用が最も効果的ですが、コスト面で気になる場合は、市販の除湿剤を各部屋に置くだけでも違います。特にクローゼットや押入れなど、空気が滞りやすい場所には必ず設置しましょう。
また、珪藻土を使った製品を活用するのもおすすめです。珪藻土バスマットや調湿材などは優れた吸湿性を持ち、置いておくだけで周囲の湿度を調整してくれます。クローゼット内や下駄箱などにも珪藻土の調湿剤を置いておけば、カビ臭やこもった臭いの発生を抑える効果が期待できます。
5. プロが認める「心理的清潔感」を演出する方法
最後に、物理的な消臭だけでなく心理的な清潔感を演出するテクニックです。これは私が内見前に必ず行う重要なひと工夫でもあります。
内見の直前にレモンやオレンジなどの柑橘系の果物を少し切ってキッチンに置いておくと、自然な爽やかさを演出できます。また、無香料の掃除用品で拭き掃除をすると、化学的な香りではない「清潔感のあるニオイ」が生まれます。
また、観葉植物を適度に配置することも効果的です。サンセベリアやアイビーなどは空気清浄効果があるとされ、部屋の見た目にも緑が映えて清々しさを演出できます。植物には有機物由来の臭い成分を分解する働きもあり、置いておくだけで脱臭効果が期待できます。
このような「心理的清潔感」の演出は単なる見栄えの問題ではありません。購入検討者に「この家での生活が気持ちよさそうだ」と具体的にイメージしてもらうための大切な要素です。
ニオイ対策の注意点と避けるべきこと
効果的なニオイ対策を行う上で、避けるべきNG行動もいくつかあります。
強い香りの芳香剤・消臭剤の使用
香りのきつすぎる芳香剤や消臭剤は逆効果です。「何か隠したい臭いがあるのでは?」と内見者に勘ぐられてしまう恐れがあります。特に人工的な甘い香りは好みが分かれる上に、空間に充満しすぎると不快感を与えかねません。「無香料」や「天然由来」の消臭剤を選び、あくまで自然な香り・無臭を心がけましょう。
直前の料理や喫煙
内見前日〜当日に、ニンニクや魚など強いニオイの残る料理をすることは避けましょう。キッチンで発生した料理臭は家全体に広がりやすく、短時間の換気では完全に消えないことがあります。
また、喫煙者がいるご家庭では、少なくとも内覧の1週間以上前から室内での喫煙は控えてください。タバコの煙によるヤニ臭・タール臭は壁紙やカーテン、家具に染み付きやすく、非喫煙者には特に敏感に察知されます。実際、海外の調査ではタバコ臭のある住宅はない住宅に比べて売却価格が20〜30%近く下落する可能性があるとの報告もあります。
過剰な対策による「不自然さ」
あまりにも完璧に消臭・芳香対策をしすぎると、かえって生活感がなく不自然に感じられることがあります。適度に生活感は残しつつ、清潔感とのバランスを取ることがポイントです。
プロが教える!物件タイプ別ニオイ対策
物件の種類によって、特に注意すべきニオイ対策のポイントが異なります。
戸建て住宅の場合
戸建て住宅では、室内だけでなく庭や外構部分も含めた総合的なニオイ対策が必要です。排水マスや庭土、植木などから発生する臭いに注意しましょう。また、戸建て特有の問題として床下や屋根裏からのニオイがあります。必要に応じて専門業者に床下・屋根裏の点検や清掃を依頼することも検討しましょう。
マンションの場合
マンションでは、専有部だけでなく共用部分からのニオイにも目を向ける必要があります。玄関ドアの気密性を高めることで、共用廊下からのニオイの侵入を防ぐことができます。ドア下部の隙間にはドア用の隙間テープを貼るなどの対策が効果的です。
また、24時間換気システムのフィルターの定期清掃を忘れずに行いましょう。ホコリでフィルターが目詰まりすると十分な換気ができず、生活臭がこもる原因になります。
築年数の古い物件の場合
築年数が経過した物件では、建材自体に染み付いた経年臭への対策が重要になります。壁紙や床材、建具などの経年劣化によるニオイは、単純な消臭剤では対応できないため、専門業者によるクリーニングや、場合によっては部分的なリフォームを検討することも選択肢の一つです。
まとめ:ニオイ対策は不動産売却成功への近道
ニオイ対策は見た目の印象向上と同じくらい、場合によってはそれ以上に重要な要素です。
効果的なニオイ対策のポイントをまとめると:
◯定期的な換気でニオイの滞留を防ぐ
◯ニオイの発生源を特定して根本的に対処する
◯内見前の緊急対策として重曹や天然素材を活用する
◯湿気対策を徹底してカビ臭の発生自体を防止する
◯心理的清潔感の演出で生活の心地よさを感じてもらう
これらはいずれも特別な専門知識や高額な費用がなくてもすぐ実践できるものばかりですが、その効果は売却価格や成約までの期間に大きく影響する可能性があります。
不動産売却は、物件の価値を最大限に引き出すための総合的なプレゼンテーションです。その中で、ニオイ対策は見落とされがちですが、実は大きな差別化ポイントになります。
皆さんの不動産売却が成功するよう、ぜひこれらの対策を実践してみてください。何かご不明な点がありましたら、いつでもお気軽にご相談くださいね。
参考文献
①自宅のにおい、「招く側」と「招かれる側」に意識の差……スギちゃん宅に行きたい女性はゼロ
https://www.rbbtoday.com/article/2012/07/23/92118.html
②内覧時に苦手な匂いがすると、82.5%が物件に対して「マイナスの印象」だと?住空間と香りの関係性に関するアンケート調査の結果発表!
https://www.wantedly.com/companies/company_9152535/post_articles/865551
③売却時の臭いは最大の敵。臭いを匂いに変える方法とは
https://colal.net/index.php?売却時の臭いは最大の敵。臭いを匂いに変える方法とは
④キッチンの消臭に使える6つの物。ナチュラルで安全な物を使います。
https://minimalist-fudeko.com/6-natural-odor-eliminators/
⑤【実証】コーヒー豆を再利用して玄関消臭やってみた【大成功】
https://note.com/sarari_amulet/n/n35cd15d791a1
⑥部屋のにおいは何が原因?プロに聞いた「におい」を消すための徹底対策とは?
https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_shinchiku/ms_knowhow/room_smell/
⑦How Smoking in the Home Can Reduce Its Resale Value
https://www.justinhavre.com/blog/how-smoking-in-the-home-can-reduce-its-resale-value.html
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