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住まなくなった実家を節税しながら売却する方法

住まなくなった実家を節税しながら売却する方法

住まなくなった実家を節税しながら処分する方法として、実家の相続後に売却して最大3000万円の控除を受ける節税方法があります。

この3000万円特別控除は平成28年度(2016年度)改正により導入された特例ですが、あまり認知されていない事に加え、適用要件も比較的厳しいため、あまり利用されていないのが現状です。

ですが、この特例が持つ節税効果は大きく、適用可能ならば是非活用した方が確実に良いと言えるものです。

この記事では、その相続空き家の3000万円特別控除に関する解説に加え、住まなくなった実家を保有し続ける事による経済的損失や実家売却にかかる税金、そして3000万円控除で賢く節税するために抑えておくべきポイントについても解説します。

住まなくなった空き家は放置するとこんなコストが毎年かかる




放置し続けている空き家ですが、所有しているだけで

・固定資産税
・都市計画税
・定期的な修繕や掃除で必要になる電気代と水道代
・通常よりも割高な保険料となる火災保険や地震保険
・遠方に住んでいる場合の交通費や宿泊費

といった費用がかかってしまいます。

これら全てを合わせると、場合によっては維持費は年間30万円以上かかってしまう可能性もあります。

他にも、

・外壁塗装の塗り直し
・屋根の張り直し
・割れた窓ガラスの交換
・雑草処理、庭木の剪定など

といった修繕費用も、建物に痛みや損害があるとその都度支払わなくてはいけません。

また、岸田政権は2022年年末頃、全国で増え続ける空き家について、壁に亀裂が入るなど管理が不十分な建物の税優遇(固定資産税を軽減する特例から外す)を見直す検討に入ったと報じられています。

もしそうなった場合は、税額は4倍程に増える見込みとの事です。

それを避けるために、空き家が遠方にある場合は専門の管理会社への管理委託費を支払わなくてはいけなくなったり、近場だと定期的に足を運び維持管理しなければいけないなんて手間も発生します。

これらも合わせ、かなりのコスト増になるのは間違いありません。

住んでいない実家を売却するとこんな税金がかかる




ここからは、住んでいない実家を売却した際にかかる税金がどんなものなのかについて解説します。

印紙税


印紙税とは、不動産売買契約書に添付する印紙にて納付する税金です。

契約書に添付する印紙は売買契約する物件金額により異なり、

・物件金額が1000万円超〜5000万円以下の場合の印紙代は10,000円
・物件金額が5000万円超〜1億円以下の場合の印紙代は30,000円

となります。

ちなみに上記の印紙代は軽減措置が適用中となっており、2024年(令和6年)3月31日までの適用となります。

登録免許税


登録免許税とは、不動産所有権を移転登記する際に発生する税金で、建物と土地の固定資産税評価額に対して決まった税率がかかる仕組みとなっています。

標準税率は建物と土地共に1000分の20となっていますが、こちらも2024年(令和6年)3月31日まで適用される軽減税率となっており、建物は1000分の3、土地は1000分の15です。

この登録免許税は登記申請時に納付するものとなっています。

消費税


消費税とは、商品を購入する時や事業者からサービスを受ける時に支払う税金です。

住まなくなった実家のような中古不動産を売買する際の消費税は、不動産仲介業者に支払う仲介手数料となります。

不動産仲介業者は中古不動産取引が成立するようサポートする役割を担っており、主に内覧者の集客、商談、契約手続き、引き渡し等といったサービスを提供し、それらを通じて売買が成功した際の報酬に消費税が掛かる形となります。

ちなみに、不動産仲介業者を介さずに個人が売主になる場合は、物件事態の販売価格は非課税となります。

所得税


所得税とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間で得た所得に対して掛かる税金です。

所得金額により一定の控除額を差し引いた金額に課せられ、不動産売却時にかかる所得税は、売却金額から取得費を差し引いた金額がプラスになった場合のみとなっています。

取得費とは、土地や建物の購入代金、建築代金、購入する時に掛かった手数料や税金、設備費、リフォームなどの増改築に掛かった費用、住宅ローンの利息等を指します。

住民税


住民税とは、都道府県や市区町村が行う行政サービスを維持する為に必要な経費を分担して支払う税金です。

不動産売却時に掛かる住民税は、所得税と同じく売却金額から取得費を差し引いても利益が残る場合のみに掛かるものとなっています。

所有期間により税率が大きく変わる事に注意


ちなみに、住民税と所得税は所有期間が5年を区切りに大きく税額が変化します。

所有期間5年以下の短期譲渡所得では、所得税30.63%、住民税9%となり、合わせて39.63%の税率となります。

所有期間5年超の長期譲渡所得であれば、所得税15.315%、住民税5%となり、合わせて20.315%です。

また、所有期間が10年超の場合は軽減税率が適用され、課税譲渡所得6000万円以下の部分は、所得税10.21%、住民税4%と計14.21%となります(6000万円超の部分は所有期間5年超の税率が適用されます)。

気になるのがこの「所有期間」ですが、これは亡くなった人がその不動産を購入した時期を引き継いで計算する事になりますので、覚えておいた方が良いでしょう。

どんな時に不動産売却の税金は掛かる?




不動産を売却したからと言って、必ず税金が発生するわけではありません。

どういう時に税金が掛かるのかというと、不動産を売却した結果「儲かった」場合にのみ掛かるものとなっています。

この儲かった、というのは利益が出たことを意味し、不動産売却においては「譲渡所得」という言葉で表現されます。

この譲渡所得とは、

譲渡所得 = 売却価格 ー 取得費 ー 譲渡費用

 取得費とは、土地については購入額、建物については購入額から減価償却費を控除した価格を指します。
 譲渡費用とは、不動産会社への仲介手数料や印紙税、測量費など、売却する際の費用を指します。

ですので、逆に不動産を売却しても儲からなかった場合(譲渡所得がプラスにならなかった場合)は税金は掛かりません。

節税に有効な相続空き家の3000万円の特別控除とは?




ここからは、住まなくなった実家を売却した際に税金が発生する方が知っておくべき「相続空き家の3000万円控除」についてとその適用要件について解説します。

この制度は読んで如く、住まなくなった実家を売却した時の売却益が3000万円以内なら税金が免除されるというものです。

例えば、あなたが実家を売却した際に

[売却価格:4500万円] ー [取得費/譲渡費用:3000万円] = [売却益:2000万円]

だとした場合、この制度を活用することによりその売却益2000万円に対してその全額が控除対象となるので、税金が掛からないということになります。

この特別控除は2016年に新設されたもので、当初は2019年末までの適用期限とされていましたが、2023年12月31日まで延長されています。

次からは、この特別控除の適用要件を「家屋の場合」と「被相続人が老人ホームに入居していた場合」に分けて解説します。

家屋の場合の要件


相続空き家の3000万円控除を利用するためには、売却する家屋が以下の要件を満たしていることが必要です。

①相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋であること
②昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられた家屋であること
③区分所有建築物(マンション等)以外の家屋であること
④相続の開始直前においてその被相続人以外に居住していた者がいなかったこと
⑤相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付の用または居住の用に供されていたことがないこと

これら5つの要件全てを満たした場合、この3000万円控除を利用することが可能です。

被相続人が老人ホームに入居していた場合の要件


先述した要件のうち、「相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋であること」とありますが、被相続人が老人ホームに入居していた場合はルールが異なり、適用要件は以下の通りとなります。

①被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、相続開始の直前まで老人ホーム等に入所していたこと
②被相続人が老人ホーム等に入所した時から相続開始直前まで、その家屋について被相続人による一定の使用がなされ、かつ、事業の用・貸付の用または被相続人以外の居住の用に供されていないこと

譲渡する場合の要件


譲渡の場合のも以下の通りの要件があります。

【譲渡する方の要件】

・相続又は遺贈(死因贈与を含む)により取得した相続人であること

【譲渡する際の要件】

①譲渡価格が1億円以下であること
②家屋を譲渡する場合、譲渡時において、その家屋が現行の耐震基準に適合するものであること

3000万円控除で賢く節税するために抑えておくべき4つのポイント




ここからは、相続空き家の3000万円控除で賢く節税するために抑えておくべき4つのポイントについて解説します。

①耐震リフォームするよりも取り壊して売却した方が良い


3000万円控除の利用するための要件の1つに「昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること」というものがありましたが、この条件に該当する建物は旧耐震基準と呼ばれ、原則として現行の耐震基準(新耐震基準)を満たしていない建物になります。

ですが上記に記載されている通り、譲渡する際の要件には「その家屋が現行の耐震基準に適合するものであること」と記載されており、そのためには売却前に耐震リフォームを実施しなければいけません。

ですが、この場合金銭的には耐震リフォームをして建物付きで売却するよりも思い切って取り壊してから売却した方がメリットがあります。

その理由は、耐震リフォームに掛かる費用と取り壊しに掛かる費用の比較です。

耐震リフォームには通常500万円掛かりますが、取り壊しは150万円程度で済みますので大幅に費用を抑えることが可能です。

また、売れやすさという意味でも耐震基準を満たした建物付きで売却するよりも成約に繋がりやすいです。

②購入当時の売買契約書を確認しよう


相続した実家を売却する際は、可能なら実家が購入された当時に貰った売買契約書を探すようにしましょう。

理由は、購入当時の売買契約書があったこと譲渡所得がきちんと計算され、結果として譲渡所得が発生しなくなった、というケースが良くあるからです。

先述しましたが、譲渡所得は

譲渡所得 = 売却価格 ー 取得費 ー 譲渡費用

という計算式で求められますが、売買契約書はこの中の「取得費」に大きく関わります。

そして売買契約書が見つからい場合、取得費の額は売却金額の5%相当として計算するものと国税庁のホームページに記載されています。

仮に土地建物を3000万円で売却して売買契約書が無く取得費不明の場合は、売却金額の5%相当額である150万円を取得費とすることとなりますが、購入金額が5000万円(うち土地が3000万円、建物が2000万円:経過年数は20年とする)と記載された売買契約書が見つかった場合、取得費はおおよそ4000万円弱という計算になるので、売買契約書がある場合と無い場合とでは取得費には天と地ほどの差が生じます。

ですので、ぜひ相続した実家を売却する際は、売買契約書を確認するようにしましょう。

③相続税の納税義務がある場合は相続後に売却するべき


相続前と相続後、どちらのタイミングで売却すべきか?というのは良く質問される疑問ですが、判断基準としては

『相続税の納税義務がある方は』

相続後に売却すべきだということです。

その理由は、相続税評価額が現金で保有するより不動産を保有している方が低くなるからです。

つまり、残った実家は相続後に売却した方が相続税を節税することが期待できます。

ですが、相続税を納税する必要が無い方はそもそも節税するしないという話はありませんので、相続税の基礎控除額以上の資産を有していない事が分かった場合は、相続する前に売却しても問題ありません。

ちなみに、相続税が発生しない場合には、生前に売却してしまって所得税と住民税を節税した方が良い場合があるので、検討してみるのも良いでしょう。

④「取得費加算の特例」の存在も忘れないようにしよう


もし相続税の納税義務があるという方は、相続後に売却した方が良いと先述しましたが、その際「取得費加算の特例」を利用されることを検討しても良いでしょう。

この取得費加算の特例を利用することで、譲渡所得を求める計算式は

譲渡所得 = 売却価格 ー 取得費 ー (取得費に加算する相続税額←NEW) ー 譲渡費用

へと変化します。

こうすることで、通常通り売却するよりも節税効果が高くなることが期待できますので、相続税が発生する場合はこの特例の存在も忘れずに検討されてみることをおすすめします。

おわりに


いかがでしたでしょうか。

住まなくなった実家を節税しながら処分する方法を解説しました。

特に有効な手段として相続空き家の3000万円特別控除について紹介しましたが、厳しい要件ですが、満たすことができるのなら積極的に利用されることを検討してみてください。

また、売買契約書の有無も節税効果は絶大です。

実際の売却される際は、是非この記事で記載されていることを参考に売却を進めてみてください。

少しでもお役に立てましたら幸いです。
この記事を書いた人
(株)あおぞら不動産 代表:高倉由浩
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