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築古マンションが売れやすくなった!住宅ローン控除改正とは?

築古マンションが売れやすくなった!住宅ローン控除改正とは?

通常、マンションは築25年以上になると売却しにくくなります。

前回の記事でも解説した通り、築25年を超えると売れ残りやすくなってしまうというデータもあり、古いマンションを売りたいけど販売できるか心配という方も多いのではないでしょうか。

ですが、2022年以降は住宅ローン控除改正により「買主が受けられる税制優遇措置に関する25年ルール」が撤廃されたため、今後は築25年以上の古いマンションでも売りやすくなることが見込まれます。

この記事では、この税制改正により不動産売却において改正前と改正後にどんな変化があるのか?また、改正後に不動産売却を行う際の注意点等について解説します。

そもそも税制優遇措置に関する25年ルールとはどういうもの?




実際、今年の4月1日から適用された住宅ローン控除制度ですが、その新制度って実際に何なの?と思われている方もいらっしゃると思います。

ですので、ここからはこの住宅ローン控除制度について簡単に解説します。

そもそもこの「住宅ローン控除」とは、不動産を購入する人のローンの金利負担を軽減して住宅需要を促進するために設けられた制度です。

この住宅ローン控除を適用することで、ローン残高の1%相当が所得税が軽減されるというものですが、築25年を超えるマンションが売却しにくくなっていた理由がまさにこれでした。

どういうことかと言うと、これまでは築25年を超えると買主が受けられる住宅ローン控除の適用などの税制優遇が原則受けられなくなっており、それが築25年以上の古いマンションが売れ残りやすい状況を生んでいました。

それが2022年以降は、築年数ではなく「登記簿上の建築日付が昭和57年(1982年)1月1日以降の家屋」であれば、買主が住宅ローン控除の適用などの税制優遇を利用できるようになりました。

逆に言えば、「登記簿上の建築日付が昭和56年(1981年)12月31日以前の家屋」は、原則として買主は税制優遇を受けられなくなったということです。

1982年築となると、築40年の建物になります(2022年時点)。ですので、築25年以上のマンションが税制優遇が受けられなかった頃と比較して、かなり古いマンションでも売りやすい状況になったと言えます。

この条件より古い住宅では、耐震基準に関する証明書の提出や既存住宅売買瑕疵保険への加入の他、入居までに耐震工事を済ませることが控除の条件になります。

耐震基準に関する証明書の添付が不要になった


この税制改正では、新耐震基準をクリアした1982年1月1日以降に建築した物件であれば、住宅ローン控除の申請に耐震基準に関する証明書の添付が不要になりました。

改正前は、この申請に欠かせない耐震基準に関する証明書の取得に費用や時間がかかった上、この特例条件をクリアするのが厳しいものでした。

そのため、なかなか買い手からの需要が増えなく大量の在庫が残っていく状況が続いていました。

証明書類には

・既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書
・耐震基準適合証明書
・既存住宅性能評価書

などが該当します。

1つ目の既存住宅売買瑕疵保険とは、中古住宅を購入する前に加入し、購入後5年以内に何かしらの瑕疵があった場合に保険金が支払われるという保険です。

この保険に加入するには、2〜3万円はする検査料と5〜6万円の保険料負担があり、物件購入後は加入ができなくなっています。

また、耐震基準適合証明書は建築士や指定確認検査機関等に依頼すると取得可能ですが、診断や発行等にかかる費用は合計約15万円かかる上に、申請から発行するのまでの期間が1ヶ月かかりました。

それが今回の税制改正によりかなりの手間や費用という大きなハードルが取り除かれたので、売りてにとってはチャンスです。

なぜこのような大幅な築年数ルールの変更があったのか?


なぜこのようなルール変更があったのかというと、新築中古ともに売れ行きが好調で住宅市場においては供給状況がかなり不足していたので、その問題を解消するために築年数の要件撤廃をしたのでは、と言われています。

ではなぜ昭和56年(1981)年12月31日以前と以後の家屋で税制優遇されるかされないかの線引きがされているかと言うと、阪神・淡路大震災や新潟中越地方地震の被害状況にありました。

1981年以前の耐震性が十分でない建築物の被害がそれ以降の建築物よりも被害が甚大だったという報告があったのです。

それが今回の判断へと繋がりました。

この1981年以降に導入された建築基準に基づく耐震基準を新耐震基準と呼び、

『中規模の地震(震度5強程度)に対しては、ほとんど損傷を生じず、極めて稀にしか発生しない大規模の地震(震度6強から震度7程度)に対しては、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないこと』

を目標として定められたものとされています。(国土交通省『Ⅰ 住宅・建築物の耐震化に関する現状と課題 』)

コンクリート造はもちろん、木造住宅に対しても導入されている目標ですので、この築年数が25年以上経過した不動産をこれから売りたいと思っている方にとって、この築年数要件の撤廃はかなりの朗報だと言えるでしょう。

中古住宅を購入する際の住宅ローン控除はどうなる?




この2022年からの税制改正、報道では改悪などと言われていますが、実際はどんな変更がされているのでしょう?

買い手にとっても売り手にとってもどんな変化があるのかを知っておくことはとても重要ですので、ここからはこの改正により住宅ローン控除がどうなるのかについて解説していきます。

住宅ローン減税の控除率が1%から0.7%に引き下げられた


まずこの2022年の住宅ローン減税改正において、先述の「改悪された」と言われる原因となりかつ最も大きな変更内容が、この控除率の引き下げです。

これにより2022年以降に住宅ローンを組んで不動産を購入した場合、所得税と住民税から控除できるのは住宅ローン残高の1%→0.7%と引き下げられることになりました。

これは、新築住宅・中古住宅ともに変わりません。

例えば年末の住宅ローン残高が3,000万円の場合、改正前の控除率1%でしたら30万円の還付が受けられるのですが、改正後の0.7%になると21万円しか控除されないことになります。

所得要件が3,000万円以下から2,000万円以下に引き下げられる


今回の改正で所得制限が3,000万円から2,000万円に引き下げられることになりました。

年収から給与所得控除や特定支出控除等を差し引いた所得金額が2,000万円を超える場合は、住宅ローン減税が受けられなくなります。

これにより一部の高所得者層は住宅ローン控除の対象外となります。

住宅ローン残高の上限が4,000万円から3,000万円に引き下げられる


今回の改正までは控除の対象となる住宅ローン残高の上限は4,000万円とされていましたが、それが3,000万円に引き下げられました。

1%→0.7%に引き下げられた控除率と合わせた例として考えると、

・改正前の最大控除額:4,000万円 x1% = 40万円
・改正後の最大控除額:3,000万円 x0.7% = 21万円

に引き下げられることになります。

高額な住宅ローンを組む人にとってはかなり大きなインパクトとなるのは間違いないでしょう。

ちなみに、中古住宅の限度額は原則2,000万円ですが、長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅の場合はローン残高の上限が3,000万円に引き上げられます。

住宅ローン残高の優遇が拡充される省エネ住宅の詳細はこちら


・長期優良住宅とは:長持ちする構造や設備、長く住めるような維持保全ができ、バリアフリー性、省エネ性、耐震性があるなどを満たした住宅のことを指します。

・低炭素住宅とは:二酸化炭素の排出を一定以下にできる省エネ性の優れた住宅のことを指します。

・ZEH水準省エネ住宅とは:「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略です。高断熱などで省エネルギーにして太陽光発電による電気を消費することで住宅に必要なエネルギーがゼロになる住宅を指します。

・省エネ基準適合住宅とは:ZEHの太陽光などの電力を自ら作り出す設備は無いものの、省エネ性の優れた住宅のことを指します。

住民税からの控除上限額が13.65万円→9.75万円に引き下げられる


所得税から控除しきれない場合は翌年の住民税からも控除が受けられますが、その上限が前年課税所得の7%(最大13.65万円)から前年課税所得の5%(最大9.75%)に引き下げられることになりました。

新築は控除期間が13年に延長される


改正前の控除期間は原則10年ですが、改正後は新築の場合は控除期間が13年に延長されます。

ですが、再販住宅以外の中古住宅の場合、控除期間は一律「10年」となっています。

中古住宅は1982年以降建築の住宅から対象となった


中古住宅の最大のメリットはその安さです。

中古住宅と一概に言っても、築古マンションなら築浅のものより約3分の1の値段で購入できるので、かなりの価格差があると言ってよいでしょう。

もちろんその分、内部には汚れが目立ったり各種住宅設備も老朽化しているため、住み続けるには多少のリフォームが必要ですが、この改正によりそれまで住宅ローン控除の対象外となっていた築古住宅の「経済的メリット」という強みをより活かすことができるようになりました。

改正後に不動産売却を行う際の注意点




今回の住宅ローン控除などの税制改正により、築年数要件がほぼなくなり、築古物件も簡単に売却できるようになりました。

ですが、新しい環境下においては何かしらトラブルが発生しがちです。

ここからは、そういった新しい環境下で起こりがちなトラブルについての紹介と、それを未然に防ぐための方法について解説します。

契約者不適合責任に注意


そのトラブルとは、売買契約後に建物の不具合が見つかるなどの契約不適合責任です。

この契約不適合責任とは、不動産を売却する時に契約書の記載内容と異なる場合、売り手に生じる補償責任のことです。

例えばよくあるトラブルは雨漏りです。

もし雨漏りが発生することを売却前に把握している場合は、契約書に明記しなければいけません。

ですが、記載していない場合は説明義務を果たしていないとして、修理費用を請求される事態に発展してしまいます。

また、契約不適合責任は買い手が不具合を把握してから請求できる権利は5年間、引き渡し後は10年間有効ですので、必ず売却前に契約不適合責任に関するトラブルを未然に防ぐ手立てをしておくようにしましょう。

トラブルを未然に防ぐためにできることは?


契約不適合責任に関するトラブルを未然に防ぐ手立てとして、建物の不具合は契約書に記載するよりも

・付帯設備表:設備に関する全てを対象に状況や不具合を記載する書類
・物件状況報告書:建物や土地に関する全てを対象に状況や不具合を記載する書類

を作成した方が相手に伝わりやすくなります。

これらを契約書とは別にセットで添付し、買い主さんと対面で告知を行うなどして、誠実に対応するようにしましょう。

それに加え、契約書には契約不適合責任の免責などの特約を盛り込んでおきます。

記載した不具合それぞれに買い主さんが容認すると、双方が合意に達したこととなり、引き渡し後に不具合が見つかっても責任問題へと発展しないからです。

把握しきれていない不具合にはどう対処すれば良い?


この契約不適合責任では、売り手が売却前に把握しきれなかった不具合に対しても、損害賠償請求を受ける可能性があるので注意です。

そうならないためにオススメなのが、不動産売却前のホームインスペクション(住宅診断)です。

ホームインスペクションとは、専門知識を持つ第三者機関が物件を調べて評価するというものです。

これを利用することで、売り手だけでは確認できないような場所の不具合や劣化を把握することができるので、契約不適合責任への対策として有効です。

また、これは買い主さんにとっても安心に繋がり、またあなたへの信頼も獲得できるので不動産売却を成功させるという意味でも有利にすることができます。

時間と費用はかなりますが、不動産売却後の「もしかすると損害賠償されるかも…」という不安からの解放、また信頼を獲得し販売を有利に進められる、という意味で心理的にも実利的にも費用対効果が大きい対策だと言えるでしょう。

ぜひ売却前にホームインスペクションを活用してみてください。

さいごに


今回は2022年以降の住宅ローン控除改正の内容や、築古マンション販売への影響について、また起こり得るトラブル回避のために出来ることを解説しました。

恐らくですが、昨年まで続いていた築25年以上のマンションが売れにくい状況が今後かなり改善していくのではないかと思います。

また、最近では部分リフォームやフルリノベーションを活用して安い築古マンションを購入してからでも買い主さん好みの住環境にして新生活を送りたいというニーズも高まってきています。

これまで築古だから、といった理由でマンション売却を躊躇されていた方も、この機会に売却活動を始めてみてはいかがでしょうか。

この記事が少しでも参考になりましたら幸いです。
この記事を書いた人
(株)あおぞら不動産 代表:高倉由浩
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